2021年9月13日
2021年9月22日
DtoC(D2C)とは、「Direct to Consumer」の省略した単語で、メーカーが直接消費者に販売をすることを言います。仲介業者を介さずに、主にECサイトを通じて販売をすることが多いです。
Instagramを中心にTwitterやLINE、Facebook、SNSやブログ、Youtubeなどオンライン上から集客、販売することが容易にできるようになったため、昨今では1年前までは無名だったメーカーが急速に伸びて注目を集めることが多くなってきました。
DtoCの特徴の一つとして、広告に過度に頼らないでも商品が売れる状況作れます。その特徴を生かす手段がSNSアカウントの運用になります。Instagramの一つのアカウントから始まって有名になったDtoCブランドはいくつもあります。
SNSマーケティングの支援会社が乱立されるくらいSNSがファンを作ることが周知されています。
ひと昔前までは実店舗がある企業がECサイトで展開し、売り上げを伸ばしていくというのが普通でしたが、今では実店舗を持たずECサイトだけで商品を販売する個人、会社が増えてきたと思います。それがDtoCです。個人の参入、スタートアップの参入、老舗メーカーの参入で今や「DtoCまだやってないの?」感が出始めています。
ですが、遠目から見てみると企業が一般消費者に販売するBtoCと何も変わらない気もしますよね?
引用:FABRIC TOKYO
従来のビジネスモデルであるBtoCと非常に似ているDtoCはどう違うのでしょうか。
BtoCは自社で商品を作って売っているわけではなく、仕入れて販売をするビジネスモデルがBtoCのモデルとなり、代表例はコンビニやスーパーマーケットや靴屋や古着屋などは自社製品も多少混在しておりますが、一般消費者に商品を販売することを目的としています。
一方、DtoCはメーカー(作り手)がそのまま販売するので、商品を企画するところから始まり、売ってサポートするところまでとなり、製造~販売の責任まで一手に請け負うため、利益率は高いですが、仕事、業務、責任が多い点は大変な部分として知られています。
InstagramやTwitterやYoutubeなどのSNSや情報発信できるメディアが社会に浸透したことが一番大きな理由です。インスタで商品販売力のあるインフルエンサーがライブコマースや商品紹介をすると一気に情報は拡散し、たちまち在庫が枯渇します。
インターネットの発展し、スマホが生まれ、SNSが浸透、発展し情報の拡散スピードが今まででは考えられないスピードで全国各地、世界各地に広がっていきます。このスピード感があるからこそDtoCブランドは無名ブランドから有名ブランドになっていきます。
【2021年最新|SNSの動向調査】“ググる”から“タグる”が主流に?年代別のSNSユーザーの動向が判明!
上記で伝えた、SNSの発展にも通じますが、「ググる」から「タグる」に移行していると言われているくらいSNS検索をする人が増えています。現に、ゼネラルリサーチ社がアンケート調査をした結果半数以上が情報収集をSNSでしているとの結果が出ています。
Google検索からSNSに行く流れはほとんどなく、SNS検索をして、断片的な情報を補うためにGoogle検索をしている人がほとんどではないでしょうか。
SNS→Google→SNSと回遊する流れはもはや一般的になりつつあります。
こういった購買行動や検索行動、プラットフォームへのニーズなどは時代とともに変化をしていることは把握しなければ、最適な施策や打ち手が見えなくなります。
買うことが普通とされていた今までと違い、サブスクリプションモデルが普通になってきた現代はモノ余り時代で、所有欲ではなく体験することに価値が置かれるようになってきました。
DtoCのサブスクリプションで有名なのは、青汁王子で一世風靡した「青汁」や男性用化粧品で大ブレークした「バルクオム」など、食品や化粧品が非常に多いですが、これも列記としたDtoCモデルの成功例です。
日本ではなじみの少ない、グロッシアーというアメリカ・ニューヨーク発のコスメブランドです。月間で140万人が訪れる人気ブロガーだった創業者のエミリー・ワイズ氏が立ち上げたブランドです。ブログでの交流から生まれたニーズを汲み取った商品はアメリカのコスメ市場を押し上げるほどの人気になったそうです。
最近の投稿ではあまり見かけませんが、UGCにも積極的取り組まれているブランドで、「BODY HERO」のステッカーを貼って投稿するとリポストしてもらえるということがステータスにもなるので、こういった投稿をしてもらえる工夫をしていくことが非常に大事になります。
DtoC事業者としては拡散してくれる、ファンづくりが加速するメリットがあり、ユーザー自身はGlossierにリポストやいいねをしてもらえることで承認欲求を満たされると同時に、拡散効果もきたいできるため互いにメリットのある施策となります。
オールバーズは、2016年に創業し、現在の企業価値は14億ドル以上もあるとも報じられている非常に勢いのあるDtoCブランドです。メリノウールやユーカリの繊維、サトウキビといった自然素材を使った環境に配慮したサスティナブルで快適なシューズを開発、販売している企業です。
わずか2年で100万足を売り上げたオールバーズ成功の裏側には何があったのか。シューズ業界の慣習に疑問を感じていた創業者の二人は、「オンラインでのみ販売」「季節ごとのモデル入れ替えはしない」「小売店には卸さない」を徹底したブランドを立ち上げました。
InstagramやFacebookで消費者と直接コミュニケーションを取り、自社が運営するオンラインストアで販売するDtoCブランドの成功例として話題になった。その成功の裏側にはトリックが全くなく、小売りや広告にお金をかけずにエコで高級な素材、サスティナブルな製造プロセス、機能性の集中することを哲学として持っている。
オンラインでの靴の購入の障壁であるサイズやフィット感、履き心地の不安を取り除くためにどれだけ履いても30日間返品可能というポリシーを貫いています。ECサイトのプラットフォームは中国以外Shopifyで統一されており、グローバル展開がスムーズに進んでいる理由の一つだと挙げていらっしゃいます。
引用:バルクオムWEBサイト
SNSを中心に20代から30代の男性に話題沸騰中のメンズスキンケアブランドのBULK HOMME(バルクオム)。今までありそうでなかったメンズに特化したスキンケアブランドで、SNSの投稿、広告LPなどを活用し、ブルーオーシャンを作り、開拓していったDtoCブランドです。
2020年の年間売上高は前年比150%増、年間出荷総数290万本を突破するなど大躍進を続けるバルクオムのマーケティング手法は真似していきたいところ
Instagramの広告で、Instagram広告経由の顧客獲得数を10倍に成長させ、CPA(顧客獲得単価)を1/3に削り、大きく利益を伸ばされています。その肝になったのはUGC(ユーザー生成コンテンツ)となっており、クリエイティブにブランドのカッコよさを打ち出すのではなく、リアリティを重視したことが一つの要因だとのこと。
→UGCとは?活用するうえで重要な点と成功事例
ハッシュタグ風のテキストを加えるだけでも、CTR110%改善、CVR125%改善、CPAが約1/2になったそうです。ユーザー視点に立って考えられた広告はウケが非常にいいということの現れだと考えられます。
毎日着たくなる服。着ている人を助ける服。あなたらしくいられる服。として打ち出されている心地よい服を提供することで有名なアパレルDtoCブランドの「ALL YOURS」非常にシンプルなデザインで流行にとらわれない、着心地抜群のラインナップが並ぶ。
ALL YOURSといえば、24か月連続でクラウドファンディングを成功させるなど、D2Cブランドではクラウドファンディングを最も活用しているとも言われております。支援金の総額は累計5000万円にも上っており、DtoCブランドがやるべき施策の一つであることは間違いありません。
ALL YOURSが使用していたクラウドファンディングは下記の通りです。
①CAMPFIRE
②Makuake
③自社サイト
DtoCブランドを立ち上げるメリットは、ブランドの魅力を思う存分に伝えることができるのが一番のメリットです。ブランディングがうまくいくかいかないかがDtoCブランドの将来を左右すると言っても過言ではないくらい、ブランディングが大事なのがDtoCブランドです。
なぜから始まるブランドの価値は、ある一定の層を根強くつかむために必須であり、生命線です。
DtoCブランドは、開発~販売~サポートを担うため、様々な購買フェーズのお客様とコミュニケーションをとることができるため、顧客やお客様の声を吸い上げやすい環境にあります。販売する際に得た情報をECサイトの商品ページに文言追加したり、販売後のクレーム内容を商品開発に生かしたりと、サプライチェーンの様々な場所にその声を反映させることができるのがDtoCの強いメリットです。
SNSやレビュー、WEB接客やPOPUP店舗など様々な場所で活動をする際の情報は全て社内にたまっていくため、その情報をいち早く商品開発や商品改善に生かすことができるのが、DtoCの特徴です。これはサプライチェーンの全てを管理している企業にしかできないメリットなので、BtoC企業が取り入れたくてもなかなかできないため、この強みを生かして市場をうまく広げていくことが重要になってきます。
DtoCの特徴でもある、自社で開発を進めて打っていく際に大手企業のように量産することができなかったり、あらゆる価値を付加しているがために、唯一無二の商品価値と一緒に価格も大きくなること多いです。
価格相当の付加価値をユーザーが感じられれば、全く問題ないのですが、中にはなぜこんなものがこの価格で売られているんだろうというものもあるので、そういった失敗事例にならないようにコストの対価としてメリットを享受できる商品に仕上げなければなりません。
DtoCは全てを管理しているため、商品がいまいちということが万が一でもあってはいけないです。量産品の価値が薄い商品はすでに世に出回っているので、価格相応またはそれ以上の在りそうでなかった商品を世に出していくことが必要です。
そのために商品開発には手を抜かずにやっていかないと目の肥えた消費者にすぐに愛想を疲れてしまいます。DtoCの売上の特徴でもあるLTVを伸ばすことができなくなるので、商品力のなさは致命傷になります。
サプライチェーンの最初から最後まで数百個単位の確認と決断が続く、業務の連続はDtoCブランドの一つの特徴です。ある程度軌道に乗れば少しは業務量が減りますが、軌道に乗ったら力を入れる先が変わるだけで、業務が多岐に渡ることは間違いありません。大事な部分を失い、ファンを失うことはDtoCブランドにとってはあってはならないことなので、業務と成果とお客様の満足度をしっかりと天秤にかけて大事なことを見失わないことが大事になります。
D2Cブランドとして、お客様に直接商品を届けることは良くも悪くもお客様の声がダイレクトに届くようになります。お困りの声もクレームも、嬉しい声も全て受け止めなければいけません。D2Cは、企業の姿勢も大事ですが、商品力も非常に大事です。
薄利多売の大手企業のような販売方法ではなく、顧客との向き合い方、売り方、伝え方を一から自分たちで考え、発信し、販売するため、商品を販売した時がスタートであり、商品の改善や発展させることが義務としてあります。
長期的に顧客と向き合い、商品と一緒に何年もかけて成長をする覚悟とお客様の声に耳を傾け続ける覚悟が重要とされています。
D2Cは、いわばファンビジネスです。
→こちらの23の成功事例特集をご覧いただくとよくわかりますが、購買まで至ったお客様にどう満足して使っていただくまで考えること、そして更なる顧客体験を届けることに注力するのがD2Cブランドの成功の秘訣です。
顧客からファンに。ファンからアンバサダーへと変化していくことが非常に大事になっています。「売れたら終わり」と購買プロセスを考えてしまうとLTVは低いままになるため、泥臭い地道な作業となる顧客とのコミュニケーションは現代のファンビジネスには欠かせない点です。
D2Cを初期から最速で成功させること、成功をし続けることに欠かせないのは顧客とのコミュニケーションです。コミュニケーションはSNSで取っていくのが当たり前とされていて、投稿やハッシュタグを随時チェックし、積極的にコミュニケーションをとることで、ブランド側が気付けなかった点や商品改善、開発に必要な生の声がダイレクトに届きます。
情報の洪水が起きてい今、消費者は買い物での失敗したくない気持ちがある(認知的不協和)ので、安心感の材料の一つとして、口コミやレビューがあり、もう一つは誰から買うか(どこから買うか)ということが挙げられる。
それにはブランドや運営者の権威性を高めることも一つですが、信頼を得るための発信を続ける、コミュニケーション量を増やすということになるため、顧客とのコミュニケーションはオープンなものもクローズドなものも地道行っていく必要があります。
D2Cブランドの中には、企業の理念やブランドのコンセプトに共感し、自身のD2Cブランドを応援してくれる人達を集めてコミュニティを作っているD2Cブランドも少なくありません。そう言ったコミュニティは非常に居心地のいい空間を生むため、熱狂的なファンがファンを作ることに貢献してくれます。
また、その中にはコアな意見も多く、D2Cブランド側はそういった意見と非顧客の意見を上手に聞き分けて、商品開発、ECサイトやコンテンツ、商品の改善に役立て、さらに高い価値を持たせるために日々取り組んでいけるようになります。