商品の色を忠実に再現する撮影テクニック:実物に近い色味を撮影するには

お役立ちコラム

2025年8月18日

ECサイトをご利用になるお客様にとって、写真と実物の色味が異なるという経験は、最も悩ましい問題の一つです。これは顧客満足度の低下や返品・レビューにおける低評価に繋がるだけでなく、ブランドに対する信頼を損なう原因にもなり得ます。では、どうすれば実物に近い色味で商品を撮影し、このような問題を解決できるのでしょうか。

本記事では、実物に近い色味の商品写真を撮影するためのテクニックをご紹介します。

なぜ商品の色味が変わってしまうのか?

商品写真と実物の色が異なってしまう原因は、主に以下の点が挙げられます。

  • 光源の色温度が不適切: 黄色い照明と昼光色の照明が混ざっているなど、撮影時の光の色に偏りがある。
  • ホワイトバランスのずれ: カメラやスマートフォンのオートホワイトバランス機能が、周囲の光を正確に認識できていない。
  • 過度な編集: フィルターをかけすぎたり、色補正を強く行いすぎたりしている。
  • モニターの表示差: お客様が閲覧しているPCやスマートフォンの画面設定によって、色味が違って見える。

お客様の環境によっては色の再現性を維持することは困難ではありますが、最初の目標は「実物に最も近い色で商品を撮影すること」です。これにより、お客様の誤解を減らし、返品や交換のリスクを低減することができます。

商品の色を正確に再現する撮影テクニック

高品質なLED撮影用照明を使用する

色温度5700Kの白色光を選び、正午の自然光を再現します。異なる光源(黄色い光と白色光など)が混ざらないようにしてください。色が偏る原因となります。白い背景で囲まれた空間での撮影を推奨します。

グレーカードを活用する

撮影時に画面内にグレーカードを入れ、カメラの色を補正する基準とします。カメラがグレーカードを読み取ることで、ホワイトバランスを正確に調整できます。これはECサイト向けの撮影で最も一般的に使われる、色を忠実に再現するためのテクニックです。

カメラのホワイトバランスを正しく設定する

オートホワイトバランス(AWB)モードの使用は避けましょう。ホワイトバランスは手動で設定(K値など)するか、カメラに内蔵されているプリセット(「日光」「曇り」など)を利用しましょう。

4. フィルターや色補正アプリの過度な使用を避ける

撮影後にコントラストや明るさを微調整することは有効ですが、Instagramや一般的な画像加工アプリのフィルターを多用すると、商品の色が大きく変わってしまうことがあります。

モニターの表示色を補正する

画像を編集する際は、カラーキャリブレーター(Spyderなど)で色を補正したモニターを使用してください。スマートフォンや色の偏りがあるモニターで色を調整すると、「画面上ではきれいに見えるのに、実物の色と違う」という問題が発生するリスクがあります。

商品の色を正確に伝えることの重要性

商品の色を正確に表現することは、マーケティングにおいて以下の大きなメリットをもたらします。

  • 返品率の低下: 色の不一致は返品理由の上位に入っています。色の正確性を高めることで、返品のリスクを減らすことができます。
  • ブランドイメージと信頼感の向上: 特にアパレル、コスメ、インテリアといった色に敏感な商材において、正確な色表現はブランドへの信頼に直結します。

高品質な画像は、その後のあらゆるマーケティング活動を成功させるための土台となります。しっかりとした撮影環境のもと、撮影を行っていきましょう。

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