内製化でも高品質!EC担当者が知っておくべき「白抜き」効率化ツール
お役立ちコラム
2025年12月3日
「白抜き画像」の作成は、かつては時間とスキルを要する専門的な作業でした。特に、商品の輪郭を正確に切り抜く「パス抜き」は、多くのEC担当者にとって負担となっていたことでしょう。しかし、AI(人工知能)による自動切り抜き機能の精度が劇的に向上したことで、誰もがより簡単に、高品質な白抜き画像を量産できるようになってきています。
本記事では商品撮影の白抜き画像を効率的に作成する方法を、3つのアプローチからご紹介します。
1: 画像編集ソフトによる手作業
従来から行われている手法です。最も精度が高い方法ですが、それなりの時間とスキルを必要とします。
代表的な編集ツール
| ツール名 | 特徴 | 料金体系 |
|---|---|---|
| Adobe Photoshop | 業界のスタンダードで、機能の豊富さやプロのデザイナー、他のAdobe製品(Illustratorなど)との連携も強力。 | 有料(サブスクリプション方式) |
| Affinity | Photoshopに匹敵する高機能を持つ、近年注目されている編集ソフト。2025年10月に無料化が発表され話題に。 | 無料 |
| GIMP | 基本的な画像編集から高度なレタッチまで対応できる高機能なフリーソフト。Windowsのほか、macOSやLinuxにも対応。 | 無料 |
主な手法
・ペンツール: 最も精度が高く、商品の複雑な輪郭を正確にトレースします。非常に時間がかかります。
・クイック選択ツール / 自動選択ツール: 背景と商品の境界がはっきりしている場合に、大まかな選択を素早く行います。細かい調整には手動修正が必要です。
・レイヤーマスク: 画像を直接消さずに、不要な背景部分を「隠す」手法。後から修正しやすく、プロの現場でよく使われます。
メリット
非常に高い精度の編集ができ、細部の調整も可能です。
デメリット
熟練したスキルが必要で属人化しやすく、作業時間がかかるため大量の処理には不向きです。
2: AI自動切り抜きツールの活用
最新のAI技術により、手作業を大幅に削減できる効率的な方法です。
主なツール
| ツール名 | 特徴 | 料金体系 |
|---|---|---|
| Adobe Photoshop | AIによる被写体選択、背景削除機能を持つ。細かな修正も手動で行うことが可能。 | 有料(サブスクリプション方式) |
| remove.bg | 高精度な背景透過に特化。画像をアップロードするだけで自動で処理が完了。 | 有料クレジット制/月額制(低画質なら無料でお試し可能) |
| Canva | デザイン全般に強く、有料プランの「背景リムーバ」機能が高精度。画像作成からデザインまで一貫して行える。 | 自動切り抜きは有料プラン(Pro)が必要 |
| ZenFotomatic | ECサイト向けに特化しており、切り抜き、白抜き、センタリング、リサイズなどをワンクリックで一括処理できる。 | 有料 |
メリット
スピードと効率性に優れ、専門的なスキルも不要で処理が可能です。
デメリット
複雑な商品(毛皮、透明なもの、細かい髪の毛など)の切り抜き精度が完璧でない場合があり、手動での微調整が必要になることがあります。
3: 撮影時点で切り抜きを不要にする
撮影方法を工夫することで、後工程の負担を減らす方法です。
撮影時の工夫
・白い背景を使用する: 商品と背景の境界が分かりやすくなり、後のツール処理の精度が向上します。
・背景に光を当てる(ライティング): 背景用ストロボなどを使い、背景が白飛びするほど明るく照らすことで、切り抜き作業をほぼ不要にできます(白バック撮影)。
・商品と背景を離す: 商品と背景の間に距離を設けることで背景をぼかし、境界を明確にして切り抜きやすくします。
メリット
被写体によっては編集作業不要で白抜き画像を作成できる。
デメリット
ライティング知識やそれなりのスペースが必要、また白い被写体の撮影は難しい場合がある。
自動撮影システム
専用機材(ターンテーブルや撮影用LED搭載のライトボックス等)とソフトウェアを導入し、撮影と同時に高精度な自動切り抜き処理を行う撮影システム。
Ortery(オートリー)製品を使った白抜き(背景削除)の効率化は、単にソフトウェアで背景を消すだけでなく、撮影環境・ソフトウェア・カメラを統合した「自動撮影システム」全体による、根本的なワークフローの改善が最大の特徴です。これにより、内製化の担当者が抱える「手間」「スキル不足」「時間の浪費」といった悩みを包括的に解決します。
高精度な「自動背景除去機能」
独自のテクノロジーにより、白い被写体や透明な素材、境界が複雑な商品でも、撮影と同時に高い精度で自動切り抜きが可能です。また、クラウドと連携したAI背景除去機能の追加により、よりシンプルなワークフローで業務を行うことが可能になりました。
まとめ
撮影や加工の常識が変わりつつある今、最新のAIツールやシステムを活用することで、これまで手間がかかっていた白背景画像の制作も、より手軽なものに進化しています。それぞれの特徴や料金体系などを比較し、業務の効率化対策へのアプローチを考えていくことをお勧めします。