売れる商品画像で売上UP | ECサイトの商品撮影の注意点
お役立ちコラム
2021年3月1日
商品画像が重要な理由
商品画像は、ECサイトの成果を大きく左右する極めて重要な要素の一つです。しかし、商品画像を軽視されている企業が少なくないのも現状です。
商品画像を検討する際に念頭に置いておくべき重要なポイントは以下の通りです。
・売上を左右する要因となる
・商品の多角的な情報を伝える役割を果たす
・ターゲット顧客に響き、購買意欲へとつなげる
本記事では、これらを踏まえた上で、押さえておきたいチェックポイントをご紹介します。
ECモールのガイドラインに準拠した商品画像
Amazonの商品画像ガイドライン
Amazonの画像掲載におけるガイドラインから、代表的な例をご紹介します。
・メイン画像は純粋な白の背景(RGB値:255:255:255)の画像で、商品のみを使用すること
・画像全体に対して商品が占有する割合を85%以上とすること
・販売促進のために表示できるズーム機能は、最長辺が1,000ピクセルを超える画像が優先となる
他にも細かな規定が多数設けられており、商品画像の重要性がガイドラインからも非常に高いことがうかがえます。
楽天市場の商品画像ガイドライン
楽天市場のガイドラインもAmazonと共通点が多いですが、特に1枚目の画像(メイン画像)において下記の規約が定められています。
・テキストの占有率を20%以下とする
・外枠に枠線をつけない
・白背景画像を使用する(Amazonと同様)
これらの規約は、Amazonと同様に商品そのものをより目立たせることを目的としていると言えます。
PayPayモールの商品画像ガイドライン
2021年4月20日に楽天市場のガイドラインとほぼ同様の内容に変更されました。
・テキストの占有率が20%以下
・外枠に枠線がついていない
・白背景画像を使用すること(楽天・Amazonと同様)
・メイン画像へのアニメーションGIFは不可
PayPayモールは、Yahoo!ショッピングから厳選された企業様のみが出店できるモールです。優良なモールになるほど、Amazonと同様に商品がより魅力的に際立つための規約が設けられています。魅力的かつガイドラインに沿った商品画像や白背景画像を迅速に準備できない環境は、機会損失につながる可能性を示唆しています。
Googleショッピングの商品画像ガイドライン
自社サイトなどで商品を登録し、広告として出稿する場合、Googleショッピングでも画像に関するガイドラインが設けられています。
・商品全体を正確に表示していること
・背景は白一色または透明にすること
・商品の占有率が画像の75%~90%を占めるようにすること
・商品を覆い隠すようなコンテンツを使用しないこと
・枠付きの画像は使用しないこと
こちらも上記の3つのECモールと同様に、商品が分かりやすく、魅力的に掲載されるよう細部にわたるガイドラインが設定されています。
売れる商品画像とは
ユーザー視点に立った商品画像
成果につながる商品画像の最も重要な要素は、ユーザー視点に立って制作されているかどうかです。これまで解説した各モールのガイドラインが似通っているのはなぜでしょうか。
同じ基準や要素が重視されているということは、それらがECにおける「売れる画像」の重要な共通解であると考えられます。どのモールも自社サイト経由での購入を促進したいと考えており、そのガイドラインには、商品がより魅力的に見え、購入を促進する画像の要素が凝縮されていると捉えるのが妥当です。
結論から申し上げますと、売れる画像であるかどうかはメイン画像だけでなく…
「メイン画像以外のサブ画像こそが鍵を握る」
メイン画像は厳格なガイドラインで規定されているため、差別化が極めて困難です。しかし、それ以外のサブ画像については、ECサイトやECモールによって比較的自由度が高いため、ここに注力している企業様が成果を上げています。大原則として、ガイドラインに準拠した画像を迅速に作成できる環境を整え、ユーザー視点に寄り添ったコンテンツを制作することが、高度な撮影ノウハウ以上に重要であることを忘れてはいけません。つまり…
「ユーザー視点と、ユーザーと向き合う視点は異なることを理解する」
本当に大切なのは、「ユーザーと同じ視点に立ち、同じ方向を向く心構え」です。これからお伝えするいかなるノウハウよりも、この心構えと向き合い方が重要になります。この姿勢が不足している企業様では、商品画像を軽視し、掲載枚数が少ない、詳細が不明確、補足説明がないなど、非常に残念な商品ページになりがちです。
商品画像で商品の魅力が伝わるか
商品画像にはいくつかの種類があり、商品ページでこれらを網羅的に掲載している企業様は、総じてユーザー満足度が高い傾向にあります。
①商品全体の写真
②商品の詳細や細かい部分がわかる写真(ディティールカット)
③商品イメージ写真
【商品全体の写真】
商品全体の写真はメイン画像にも使用されるため、撮影・掲載は必須と思われますが、全体の写真一つをとっても、多様な表現方法が存在します。
モデル撮影、平置き撮影、物撮り、コーディネート、動画、GIFアニメーション、360度ビュー、イメージ写真など、商品の全体像を魅力的に表現する方法は多岐にわたります。どの表現方法がターゲットユーザーに最もマッチするかを戦略的に検討する必要があります。
例えば、若い世代には動画を、団塊世代には落ち着いたイメージカットなど、ターゲット層に合わせた戦略を立てていくことが求められます。
【商品の詳細や細かい部分がわかる写真(ディティールカット)】
ディティールカット、訴求画像、ズームアップ画像など、様々な名称で呼ばれますが、商品の質感、素材感、厚み、タグ、ロゴ、特徴などをピンポイントに捉えた、特定箇所をズームアップした画像です。
ポケットの多い商品、ブランド力が求められる商品、機能性が高い商品、素材感が伝わりにくい商品など、多様な商材が存在します。これらの画像を見たユーザーが「求めているのはこれだ」と感じられなければ、購買意欲には直結しません。
多様なコンテンツを提供する企業様の中には、サムネイル画像の大半をこの訴求画像で構成している例もあるほど、商品選定において極めて重要な要素となっています。
商品が魅力的に見える撮影のテクニック
商品を魅力的に撮影するためには、基礎固めが重要です。下記の3つのコツをご参照いただき、実践に役立てていただければ幸いです。
カメラの基本知識が備わっていること、背景が整っていることは前提条件として、いかに商品魅力を最大限に引き出すかという点を、3つのポイントに分けてご紹介します。
ライティング
一つ目は、何といってもライティング(照明)です。ライティングは商品撮影における「命」とも言える要素であり、これを無視して魅力的な商品を撮影することは不可能です。
初心者の方でも手軽に実践できる方法の一つは、自然光(太陽光)を活用することです。
①窓際や屋外で背景紙や背景布をセットし、その上に商品を配置する。
②スマートフォンや一眼レフで、複数のアングルから撮影する。
③背景紙や背景布の位置を90度変更し、再度②の撮影を行う。
上記のフローで撮影することで、印象の異なる商品画像を手に入れることができます。撮影自体は数分で完了するはずですので、ぜひお試しください。
アングル
二つ目はアングル(角度)です。アングルの違いは商品の印象を大きく変え、高級感を持たせることも可能です。一般的にラグジュアリーブランドなど高価格帯の商材を扱うブランドは、水平方向から商品を捉えることが多い傾向にあります。
構図
写真が上手くなる!写真の基本構図10選【カメラ初心者向け】
上記のような写真の基本構図を意識しつつ、商品の見栄えを最大限に引き出す構図で撮影を行うことで、プロのような印象に近づけることができます。
小物、アングル、背景布、構図、ライティングのどれか一つを変更するだけでも、商品の印象は大きく変わります。ターゲットユーザーのニーズに合わせた商品画像がどのようなものか、多角的に撮影を試み、最適な表現を見つけてください。
商品を「売る」から商品が「売れる」へ
成果を上げているチームは、目的が「売る」ではなく「売れる」ことにあります。そのため、視点をお客様に向けるのではなく、お客様と同じ方向を向いて施策を実行します。
このチームがまず取り組むのは、売れる画像の見せ方とページ構成の設計です。ホームから商品ページへの導線、商品ページ間の遷移など、画像やコンテンツの活かし方までを緻密に計画しているブランドや企業は、ECサイトやホームページが非常に見やすく、商品を探す段階から決済確定までが極めてシームレスに設計されています。
その中でも特に重要視されているのが商品画像です。使用する場面、使用後のイメージ、さらには潜在的な悩みの解決方法までが、商品画像と合わせて「売れる導線」に乗せて提供されているのが、成果につながる画像戦略と言えます。
一方で、成果につながりにくい画像は、目的が「制作すること」自体になってしまいがちです。レギュレーションや撮影フローが長期間見直されていない企業様も多く見受けられます。この10年でガラケー主体からスマートフォン主体へと生活様式に大きな変化があったにもかかわらず、お客様の視点が変わらないと捉えるのは、現状にそぐわないと言えるでしょう。
真の意味でユーザー視点になって考えられていないために、お客様のニーズに沿った画像の種類、枚数、構成が考慮されていない商品ページが散見されます。
ストアの独自性を商品画像で体現する
コンテンツで独自性を
360度ビューや動画といった、ユーザーに商品の魅力が直感的に伝わりやすいコンテンツは、制作難易度が高く、結果的に競合が少ないため、サイトに独自性を出しやすくなります。
成功体験が容易にシェアされる現代において、ECサイトで他社との独自性を出すことは容易ではありません。だからこそ、模倣されにくいコンテンツの制作によって競合他社との差を広げる方法が、最近のトレンドとなっています。360度ビューや動画の採用が増加している背景には、こうした戦略的な意図があります。
商品画像は売上を左右する

コスメ利用者が商品ページで重視する情報に関するデータでは、以下の順位が示されています。
10代:1位 口コミやレビュー 2位 商品画像 3位 効果・効能
20代, 30代: 口コミやレビュー 2位 効果・効能 3位 商品画像
他にも、以下のようなアンケート結果があります。

EC利用者に「過去6か月間にECサイトで経験した不満」を調査した結果(複数回答可)
1位 画像が少なく、商品イメージがわからない
2位 商品紹介の文言がなく・情報が不足している
3位 チェックアウトの前に送料がわからない
4位 検索結果が乏しい
5位 地元の店舗にある在庫が確認できない
前者のデータも後者のデータも、「画像」と「商品の詳細」が購買行動において決定的な役割を果たすことを示しています。ユーザーの立場であれば当然分かるはずのことが、事業者になった途端に見落とされがちです。ECのミカタのデータはコスメ利用者対象ですが、この傾向は他のジャンルでも同様に推察されます。
成果を上げているECサイトは商品画像・コンテンツが充実している
上記のアンケート調査結果も含め、定量的・定性的に見ても、成果につながる商品画像を制作しているECサイトは当然ながら売上を伸ばしています。その理由はシンプルです。
ユーザーは商品にまつわる情報を隈なく求めているためです。
・購入判断ができる最低限の商品画像を揃える
・商品の全体像、ディティールが把握できる画像を制作する
・商品情報を可能な限り細かく掲載する
・使用した際のイメージを提供する
・使用する前後の悩みや期待を解決する方法を示す
商品画像は売上にほとんど関係ない、とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、これらのデータをご覧になって、今もなおそう言い切れるでしょうか。商品画像が売上を左右する重要な判断軸であることは明確であり、そこへの投資は必要不可欠です。
商品画像の背景を切り抜き統一感を出す
画像の背景切り抜きは5秒の時代
画像切り抜きツールの精度が飛躍的に向上したことで、低コストで迅速な背景処理が可能になりました。背景処理は時間や人件費がかかるため疎かにされがちですが、商品ページやECサイトに統一感を出し、魅力を最大限に伝えるためには、背景色の統一は非常に効果的です。
どのようにすれば魅力が伝わるかという本質的な思考にリソースを集中させるためにも、テクノロジーで賄える部分は積極的に活用していく必要があります。背景処理だけでなく、商品撮影自体に課題を抱える企業様には、Orteryの商品撮影システムもおすすめです。