売れる商品画像で売上UP!ECサイトの商品撮影の注意点
商品画像が重要な理由
商品画像は、ECサイトの生命線と言っても過言ではありません。しかし、商品画像を軽視している企業が多数いることは確かです。私が担当した企業で商品画像を軽視して、売上が右肩上がりの企業様は見たことがありません。
商品画像について念頭に置いておくべき重要な点
・売上を左右する
・商品の情報を多く持っている
・買ってもらいたい人に買ってもらえる
そのために押さえておきたいチェックポイントを3つご紹介します。
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目次
ECモールのガイドラインに沿った商品画像
Amazonの商品画像ガイドライン
Amazonの画像掲載におけるガイドライン Amazonのガイドラインの一例をご紹介します。
・メイン画像は背景が真っ白で商品のみが写っている画像を使う。
→真っ白の基準はRGB値(255:255:255)
・画像に対して商品が占有する割合を85%以上にする
・ズーム機能を使用する場合、画像の長辺が1600ピクセル以上
他にも細かい規定が多くあり、商品画像が非常に重要視されていることがガイドラインからも読み取れます。
楽天市場の商品画像ガイドライン
楽天のガイドラインもAmazonと非常に似ていますが、楽天は下記すべて1枚目の画像においての規約となります。
・テキストの占有率が20%以下
・外枠に枠線がついていない
・白背景画像を使用すること(Amazonと同様)
こちらもAmazonと同様に商品がより目立つようにするための規約と言えます。
PayPayモールの商品画像ガイドライン
楽天のガイドラインとほぼ同様のガイドラインに2021年4月20日に変更されています。
・テキストの占有率が20%以下
・外枠に枠線がついていない
・白背景画像を使用すること(楽天・Amazonと同様)
・メイン画像へのアニメーションGIFは不可
PayPayモールはヤフーショッピングから限られた企業のみが出店できるモールですが、より売れるモールに行くとAmazonと同様に商品がより目立つようにするための規約が設けられており、魅力的な商品画像や白背景画像を作れない環境であることはデメリットを多く生むこと物語っています。
Googleショッピングの商品画像ガイドライン
自社サイトなどで商品登録し、画像を広告として出す場合、Googleショッピングでも画像のガイドラインが設けられています。
・商品全体を正確に表示している
・背景は白一色または透明にする
・商品の占有率が画像の75%~90%を占めるようにする
・商品を覆うコンテンツを使用しない
・枠付きの画像は使用しない
こちらも上記の3つのECモールと同様に商品がわかりやすく、魅力的に掲載されるように細かいガイドラインが設けられています。
売れる商品画像とは?
ユーザー視点に立った商品画像
売れる商品画像の一番重要なところはユーザー視点に立って作られたものかどうか重要です。ここまでお話ししたガイドラインはなぜどこも似通ったガイドラインになっているのでしょうか。
同じ基準=同じ答えを持っている部分は重要だと考えられます。どのモールも自社のサイトを介して購入してもらいたいと思っている企業が打ち出しているガイドラインには、商品がより魅力的に見え、売れる画像の要素が詰まっていると考えるのが一般的かと思います。
結論から申し上げます。売れる画像かどうかはメイン画像ではなく…
「メイン画像以外の画像が重要」
メイン画像は、ガチガチにガイドラインで縛られているため差別化は非常に難しいです。しかし、それ以外の画像はECサイトやECモールによってはだいぶ緩くなっているため、ここに命を懸けている企業が売れています。大事なことは、ガイドラインに沿った画像を最速で作れる環境があり、ユーザー視点に寄り添ったコンテンツが作れることが大原則にあるコトを撮影ノウハウ以上に忘れてはいけません。要するに…
「ユーザー視点とユーザーと向き合った視点は異なることを理解する」
大事なことは「ユーザーと同じ視点に立ち、同じ方向を向くこと」です。
これからお伝えするどんなノウハウよりこの心構えと向き合い方が重要です。できてない企業は商品画像を軽視して、掲載枚数が少ない、詳細がわからない、補足の説明もない等々非常に残念な商品ページが完成しています。
商品画像で商品の魅力魅力が伝わるか
商品画像にはいくつか種類があり、商品ページすべて掲載している企業は非常にユーザーの満足度が高いです。
①商品全体の写真
②商品の詳細や細かい部分がわかる写真
③商品イメージ写真 【商品全体の写真】
商品画像にはいくつか種類があり、商品ページすべて商品全体の写真はメイン画像でも使用されるため、撮影や掲載をしていないということはないと思いますが、全体の写真と言っても様々な表現方法があります。
モデル撮影、平置き撮影、物撮り、コーディネート、動画、GIFアニメーション、360度ビュー、イメージ写真など商品の全体を魅力的に写す方法は多いため、どの表現方法がターゲットユーザーにマッチしているかを考えて選定しなければなりません。
若い世代には動画で、団塊世代にはイメージカットなど戦略立てていきましょう。
【商品の詳細や細かい部分がわかる写真】
ディティールカットや訴求画像、ズームアップ画像など様々なネーミングがありますが、商品の質感や素材感、厚み、タグ、ロゴ、特徴などをピンポイントに捉えた、ある場所をズームアップして捉えた画像です。
ポケットが多い商品、ブランド力がある商品、機能性が高い商品、素材感がわかりにくい商品など様々な商材がある中で、ユーザーには「あれと同じ感じか」と感じ取ってもらわなければ購買意欲に直結しない画像となり、売れる画像にはなりません。
多様性を持ったコンテンツを提供する場合、サムネイル画像の大半をこの訴求画像で構成されている企業様もあるくらい商品を選ぶにあたって大事な要素になります。 【商品のイメージ写真】
今、一番企業が時間をかけて考えて、作っているのはこの商品のイメージ写真です。ここにどれだけのリソースを割けるかで、コンテンツの質は大きく変わっていきます。2年前はECサイトで360度アニメーション画像を使用されていたユニクロですが、今どんなコンテンツに力を入れているかご存じでしょうか。
GIFアニメーションです。ユニクロオンラインストアのTOPを30秒だけご覧ください。
ページに入るとすぐに商品を着用しているGIFアニメーションが流れています。どんなシーンで、どんなコーディネートで、どんな方が使って、どのようなイメージに見えるのかたった1分で驚くほど情報が入ってきて、「これでいいじゃん!」となる人は多いと思います。
スマホや技術発展のおかげで少し容量のあるページであってもサクサク表示されるので、それを生かす手はないと思います。TOPページのみならず商品ページにも掲載が進んでいます。
これはユーザーに向き合う時間とコンテンツに懸ける思いを体現していることはご理解いただけたと思います。
商品が魅力的に見える物撮りのコツ
商品を魅力的に撮影するには基礎固めが重要ですので、下記の3つのコツをご覧いただいた上で実践していただくとすぐに役立つと思います。
上記の記事の通り、カメラの基本知識が備わっていること、背景が整っている事は前提条件として、いかに魅力的に見せるかを3つのポイントに分けてご紹介します。
ライティング
一つ目は何といってもライティングです。ライティングは商品撮影において命なので、ここを無視して魅力的な商品を撮影することは不可能です。
初心者の方でも簡単にできる方法の一つは自然光(太陽光)を使用する方法です。
①窓際や外で背景紙や背景布をセットし、その上に商品を置く
②スマホや一眼レフを複数のアングルから撮影する
③背景紙や背景布の位置を90度変えて②をもう一度行う
上記のフローで撮影すると印象の違う商品画像が出来上がります。撮影自体は2分ほどで終えられるはずなので、お試しください。
アングル
2つ目はアングルです。このアングルの違いで大きく印象が変わります。見える場所が異なることで商品画像から高級感を持たせることが可能です。一般的にラグジュアリーブランドと言われている高めの商材を扱っているブランドは水平方向から商品を捉えることが多いです。
構図
写真が上手くなる!写真の基本構図10選【カメラ初心者向け】
上記のような写真の構図を念頭に置きつつ、商品の見栄えを意識した構図で撮影をすると写真の印象がグッとプロに近づきます。
小物、アングル、背景布、構図、ライティングのどれか一つを変えるだけでも印象は大きく変わりますので、ターゲットユーザーのニーズに合わせた商品画像がどのようなものかたくさん撮影して、最適解を見つけてください。
商品を「売る」から商品が「売れる」に
売れる画像を作成しているチームは、目的が「売る」ではなく「売れる」なので、視点はお客様に向けるのではなく、お客様と同じ方向を向いています。
このチームが始めるのは売れる画像の見え方とページ構成です。ホームから商品ページの導線や商品ページから商品ページの遷移など、画像やコンテンツの活かし方を考えているブランドや企業はECサイトもホームページも非常に見やすく、商品を探すところから決済確定ボタンまでが非常にシームレスに設計されています。
その中でも重要視されている項目の一つとして、商品画像があります。使用する場面、使用した後のイメージや悩みの解決方法も商品画像と一緒に売れる導線に乗せてあるのが売れる画像というわけです。
一方で売れない画像は目的が”作ること”になってしまい、レギュレーションや撮影フローがずっと変わっていない企業様も多くあります。この10年でガラケー主体からスマホ主体になり生活様式に大きな変動があったにも関わらず、お客様が見ている視点が変わらないと捉えるのは少し無理がありますよね…。
本当の意味でユーザー視点になって考えられていないため、お客様のニーズに沿った画像であったり、枚数、構成が考えられていない商品ページが出来上がります。
ストアの独自性を商品画像で体現する
コンテンツで独自性を
360度ビューや動画といったユーザーに魅力が伝わりやすいコンテンツは制作が難しく、ライバルが少ないため、サイトに独自性を出しやすくなります。
成功体験が簡単にシェアされるので、ECサイトで独自性を出すことが難しいので、マネされにくコンテンツの制作でライバルを減らしていく方法を取ることが最近のトレンドです。360度ビューや動画が増えているのはそういった背景があります。
商品画像は売上を左右する
コスメ利用者が商品ページを重視する情報として
10代: 1位 口コミやレビュー 2位 商品画像 3位 効果・効能
20代: 1位 口コミやレビュー 2位 効果・効能 3位 商品画像
30代: 1位 口コミやレビュー 2位 効果・効能 3位 商品画像
こんなデータもあります。
EC利用者に調査
「過去6か月間、ECサイトで以下の経験したことがあるか(複数回答可)」についての結果
1位 画像が少なく、商品イメージがわからない
2位 商品紹介の文言がなく・情報が不足している
3位 チェックアウトの前に送料がわからない
4位 検索結果が乏しい
5位 地元の店舗にある在庫が確認できない
…他3つ
前者のデータも後者のデータにも出ている「画像」と「商品の詳細」これは自分がユーザーの立場ならわかることを事業者になった途端にわからなくなってしまいます。ECのミカタのデータはコスメ利用者が対象ですが、コスメだけ全然違う探し方をする人は少数派だと推察できますので、どのジャンルも同じことがいえると思います。
売れているECサイトは商品画像・コンテンツが充実している
先ほどのアンケート調査の結果も含めて、定量的、定性的に見ても、売れる商品画像を作っているECサイトは当然のことながら売れています。なぜかと言いますと…
ユーザーは商品にまつわる情報は隈なくほしいと考えている
・購入判断ができる商品画像を最低限揃える
・商品の全体像、ディティールが把握できる画像を作成する
・商品情報をできる限り細かく掲載する
・使用したイメージ
・使用する前、使用した時の悩みを解決する方法
商品画像はECサイトの売り上げには関係ないと言われている方も時々いらっしゃいますが、このデータを見てもそう言えるでしょうか。商品画像は売上を左右する重要な判断軸であることは明確なので、そこへの投資は必要不可欠です。
商品画像の背景を切り抜き統一感を出す
画像の背景切り抜きは5秒の時代
画像切り抜きツールの精度が非常に上がってきているため、低コストで背景処理が可能になってきました。背景処理は時間も人件費もかかるため、疎かにしがちですが、商品ページやECサイトの統一感を出すためには背景色が統一されていると魅力が伝わりやすいです。
どうすれば魅力が伝わりやすいかを考える時間がないのであれば、テクノロジーで賄えるところは任せてしまって本質的な部分にリソースを使っていく必要があります。背景処理だけでなく商品撮影にも困っている企業様には自動撮影システムがおすすめです。
この記事を書いた人
荒井 裕希
美容専門学校を卒業し、アパレル雑貨や携帯販売、独立して自ら開業するなどして10年。その後自動撮影システムの業界に入り、4年半(2021年7月現在)を迎える。3000を超える方と商談を行い、担当事例は100社を超える。8割がアパレルやファッション雑貨で、大手~スタートアップまで規模を問わず担当。お客様の一時期の成功ではなく、成功し続ける環境を伴走して構築することをモットーにご案内中。本質を見失わないようにロジカルに情熱を持って皆様と向き合います。