商品画像の編集・加工業務の重要性!押さえておきたい3つのポイント
商品画像の編集・加工は大切
商品画像の編集加工は何のために行っているのか
商品画像は、「魅力が伝わりやすくなる」ように編集をすることが重要です。
そのためにはキレイに撮影することや実物のイメージや色と乖離がないようにしなければいけません。このすべてを商品撮影のみで満たすことは困難なので、画像の編集・加工業務で足りない分を補う必要があります。
上記を前提として、消費者がどのように思ったり、考えたりすれば購買意欲が向上するのかを考えて作るとユーザー視点を取り入れた価値の高い販売用コンテンツが出来上がります。
商品写真の加工を減らす方法
商品撮影の加工を減らす方法は、商品撮影で最も重要な商品写真の背景と商品撮影用の照明の光のコントロールが肝になってきます。
まずは、背景です。
昨今、メルカリでも企業が多く参入してきて商品写真の背景がキレイなものが増えてきています。背景が整っているだけで売れ行きが違うことを理解しているため、簡易であろうと商品撮影ブースの中で商品撮影をしています。
しかし、メルカリの場合、商品カテゴリーや商品によってはきれいすぎると売れない場合もありますので、注意が必要です。
次に、照明やライティングです。
自然光を使う場合は、十分な光量があるので、影なども考慮しつつ、光が強すぎる場合はトレーシングペーパーなどを使って調整していきましょう。
LEDなどの照明を用意する場合は、十分な光量を当てるには3灯程あると安心です。映り込みや反射に気をつけつつも、背景が暗くならないように撮影をしてみてください。
背景にまで光がいきわたらない場合、背景切り抜きなども活用して、統一感の取れた商品画像を作成することで、画像編集の時間を短縮することが可能になります。
商品撮影の段階で気をつけたいこと
商品撮影時に気を付けてほしいことは、先述した通り、キレイに撮影することともう一つあります。
誰に向けた画像なのかを考えることです。
商品撮影と言うと最終的にはBtoCで使われるかと思いますが、その過程で使われることもあると思います。開発の段階、サンプル段階など資料や会議で使われるなど、多種多様な活用方法があります。
そのため、どの部分を誰にどう見せたいかを把握した上で、その人がどこを見たいと思うかを考えながら撮影することが重要です。
商品写真/商品画像の加工業務のコツ
マーケティング担当者と打ち合わせをする
画像の活用方法とその意図を汲み取って撮影すると、マーケティングやブランディングで大きな力を発揮しやすくなります。
日本も分業制が浸透し、マーケティング担当、EC運営、撮影チームが連携を取っていないケースをよく目にしますが、この組織体制はユーザーのニーズを把握しにくくなるため、無駄な写真が増え、生産性も落ちていきます。
マーケティング担当のユーザー分析を基に商品撮影を行うことで、購買意欲の向上が見込めるため、CVRの向上に繋がります。
意外と撮影者が思っている必要な商品画像やコンテンツは、ユーザーには求められていないケースが多々あります。
購入後の1シーンを想起させる商品写真
商品画像は、商品の魅力を伝えるだけでなく、購入後のイメージを想起させる役割も果たさなければなりません。商品画像の効果として最も理想の形は、「無意識にカートに入れてもらうこと」だと考えています
商品の色やデザイン、サイズが正確に表現する写真
3つ目は、商品の現物をいかにWEB上に再現していく重要性についてです。
商品の色味やデザインは、画像そのままを印象として持つため、現物と異なる場合、高い確率でクレームになります。また、購入前に確認するサイズについても、正確ではない場合は返品になる可能性が高いでしょう。
こちらの画像では、色とサイズ感が非常にわかりやすく、数秒で確認出来る情報としては、ユーザーにとってすごく質の高いコンテンツ(画像)と言えます。
靴やアパレルなど身に着けるものや家具などは、0.5単位で印象や着用や設置ができる、できないが変わってくるため、サイズ感に関しても非常にシビアに考えて対応していかなければなりません。
※最近では、デバイスによって色味が異なりますので、こだわり過ぎでも意味がないと考える企業様も多いです。
商品の特徴、魅力をテキストで補足する
引用:Pinostudio
商品の特徴は画像で伝えられるものや場所、デザインであれば、画像で伝えて、テキストで補填をする方法が有効です。
購買意欲にもよりますが、人は1秒かからないスピードで画像にある情報からどんなものかを判断します。そのスピードで判断できるわかりやすい画像を作成していきましょう。
Amazonや楽天、ヤフーショッピングなどのモールは、メイン画像以外にテキスト入りの画像使っているケースが多く、他社との差別化をテキストで行えるかも売り上げを左右する一つのキーポイントです。
テキストを入れた商品画像には、情報が多くなることや高級感がなくなるため、使い方を気をつけながら差別化を図っていきましょう。
モールごとの商品画像/写真の掲載ルールを把握する
楽天市場の商品画像掲載ガイドライン・規約
楽天市場の商品画像掲載ガイドラインの大枠は下記の通りです。
Amazonも似たような基準を設けていますが、メイン画像とサムネイル画像は少しだけルールが異なり、打ち出せる情報の厚みが変わってきます。
メインの画像は白背景が基本で、そのほかは大きな縛りはほとんどないのが楽天の特徴です。
そのため、楽天では多くのテキストを使用して、情報を多く掲載している企業がほとんどです。
Amazonの商品画像掲載ガイドライン・規約
Amazonのメイン画像は必須の登録項目であるため、いくつかの規約が設けられています。
①背景は真っ白であること:RGB値(255:255:255)
②商品のみを掲載する
③画像の85%を商品が占める
④500ピクセル以上
※ズーム機能を持たせるなら1000ピクセル以上
┗推奨は1600ピクセル
⑤JPEG(.jpgまたは.jpeg)、TIFF(.tif)、PNG(.png)、GIF(.gif)のいずれかのファイル形式
┗※JPEG推奨
他5項目
サブ画像(サムネイル画像)については、規定は緩いですが、ページのフォーマットが決まっているので、そのフォーマットの中でどれだけ濃密な情報を与えられるかを考える必要があります。
ヤフオクの商品画像掲載ガイドライン・規約
ヤフオクは、多くの企業が参入しておりますが、基本の考え方は消費者間取引(CtoC)であるため、楽天市場に比べると画像掲載のルールやガイドラインは緩くなっています。
・5MB/枚以内
・写真は10枚まで掲載可能
・縦、横の長さは1200ピクセル以内
・他の出品者が掲載している写真を流用してはいけない
・出品完了後に画像の変更・修正はできない(追加は可)
ちなみに写真掲載は10枚までなので、写真を10枚掲載して出品している場合、質問などで画像を要求されても追加できないことになっているため注意が必要です。
メルカリの商品画像掲載ガイドライン・規約
メルカリもヤフオクと同様に、消費者間取引が中心であるため、楽天市場やAmazonの画像掲載ガイドラインは、比べると緩いです。
・他の会員が出品している写真を無断で流用してはいけない
・正方形の画像を掲載(正方形以外は登録時に正方形にトリミング)
・転載画像のみで画像を掲載(構成)しない
・実物の画像を撮影する
最近では、転売や中国経由での仕入れが増えているため、転載画像が増えており、ガイドライン違反の出品者も散見されます。
※事務局が禁止行為に該当すると合理的な理由に基づき判断した場合は、取引キャンセル・商品削除・利用制限などの措置を取る場合があります。
商品写真と著作権/商標権について
ECサイトやネットショップで商品を販売する際に、何が著作権等に引っ掛かり、で何が引っ掛からないのかを確認していきましょう。
下記を参考に正確に把握しておきましょう。
商品画像の著作権/商標権と引用時の注意点
・公式サイトの商品画像をそのまま使用する(引用する)
・引用されているコンテンツと引用者のオリジナルコンテンツが明確に区別されている
・引用元を明記する
・ロゴマークをそのまま引用する(※著作権侵害に当たる場合あり)
・キャラクター・著名人の画像を無断で使用してはいけない
・他者が作成した画像を無断で使用しない
他者が作った画像を無断で使用したり、肖像権を侵害したり、オリジナル画像のトリミング加工や色味編集をしてしまうと著作権の侵害になりますので、注意してください。
自身が商品撮影をして商品画像を作成した場合の著作権について
・自分で購入や仕入れをして、商品撮影して使用する
・自分で撮影した商品写真(画像)に文字を入れて加工する
・自分で撮影した商品写真(画像)をPhotoShopなどでトリミングをする
・人が写っていない(※肖像権が発生するため)
上記の自身で商品撮影をした場合は著作権の侵害には当たらないとされています。
※自分もしくは自社が開発した商品の場合は、権利は自分(自社)にありますので、ご安心ください。
※公式サイトなどから引用する場合でも例外もあります。
著作権法で「引用」が合法になる5つの条件
下記の5つが満たされた場合に、法律上で「引用」として認められています。
・オリジナルが「主」、引用が「従」の関係にあること
・引用であることが明確になっていること
・自分の表現をするために引用が必要であること
・引用をしたコンテンツの出典を明示すること
・引用する際には、改変を加えない
文章などを引用される場合、コンテンツに対して引用が占める割合引用の方が多い場合は、主従関係が崩れているので、違法と見なされた判決もあります。
専門家・弁護士の意見が記された参考記事
商品画像の影響力
商品画像が売上を左右する
商品画像が売上を左右する要素であるという根拠となるデータを二つご紹介します。
①コスメ利用者が商品ページを重視する情報として各年代が重要としていること
コスメについては、肌につけるものなので、当然口コミは最重要として考えられます。昨今のコスメはインテリアとしても良く見えるようにパッケージにこだわっている会社が多く、そのイメージを効率的かつ効果的に伝えられる手段が商品画像であることがアンケートから読み取れます。
②過去6か月間、ECサイトで以下の経験したことがあるか(複数回答可)
こちらについても商品画像は、購買判断をする上で最重要項目の一つであると考えられていることがわかります。
ECサイトで一番多く触れるもの
ECサイトや商品ページや企業ページ等のWEBページに入ると必ず最初に飛び込んでくるのはコンテンツです。
そのコンテンツには必ず、画像や動画が使用されていますので、画像等のクオリティが悪いとそのサイト自体の印象が変わってきてしまいます。
商品ページであれば、最初に目が行くのも、購入を粗方決める材料も画像になるため、疎かにしてはいけません。
売り手ではなく、買い手が見たいものを作成する
よくあるケースとして、カメラマンや現場担当者の一存で、商品画像の構成や枚数、見せた方が良いと考えられる場所などが違い、ユーザーのニーズに応えられていないことがあります。
好きな洋服や食べ物が人それぞれであるように、購入判断に必要な情報も人それぞれです。購入判断に欠かせない重要な要素を個人の好みで変わってしまうと機会損失を生むことになりかねません。
先述した通り、マーケティング担当との打ち合わせによって得られたユーザーのニーズを満たす商品写真をページに掲載することで、買い手が無意識にカートに入れたくなる情報を打ち出していきましょう。
まとめ
商品画像のクオリティと買い手のニーズ把握が大切
買い手のニーズに沿った商品画像に画像編集を加えて、誰が見てもキレイに見える状態にし、掲載することで、売れる商品写真に繋がることは間違いありません。
商品写真がキレイでも売れない場合はありますが、商品写真が良くなくても売れる場合はほとんどありません。
画像の加工だけでなく、画像がどう使われるのか、撮影の環境は問題ないのかも今一度見直してみてはいかがでしょうか。