物撮りの背景におすすめなのは?紙や布、100均グッズでもできる背景スタイルを解説
物撮りとは
物撮りとは、商品だけを撮影することを指します。物撮りの読み方は「ぶつどり」とそのまま読みます。
物撮りはモデル写真撮影と違い、ストロボを使う必要もないですし、自然光で商品撮影をされている企業もあるくらい、要点だけ抑えれば、綺麗に撮影できる領域なので、ぜひ最後までご覧ください。
物撮りを失敗をしないポイントは、たった3つです。「ライティング(照明)」・「カメラ」・「背景」
この記事では背景にフォーカスして上手くできるポイントをお伝えします。
物撮りでは背景が大切
物撮りと商品撮影の違い
「物撮り」と「商品撮影」に意味の違いはありません。しかし、「物撮り」の方が、より専門的なワードになるため、撮影業界やECサイト運営の商品撮影の現場業務を行っている方が使う、ニッチな分野の言葉です。
商品撮影には、業界用語の要素がなく個人や一般の方にも広く使われています。
背景は印象をコントロールする大事な要素
物撮り・商品撮影には、カメラや照明の要素も非常に重要視されているのですが、一番気にすべき要素の一つが「背景」です。背景の作り方はいくつかあり、一般的なものとしては、背景紙が使われています。
インスタなどの写真撮影用にスタジオがあったり、ロケでおしゃれな場所を背景に選ぶこともあります。また、個人の方に多いのは、背景布や背景シートを用いて、背景を構築する方法です。
背景シートは、スペースさえあれば場所を選ばず撮影スタジオが省スペースで完成するので、使いやすさでいえば一番です。
これから背景シートも含めた撮影アイディアをご紹介します。
物撮り・商品撮影でおすすめの14の背景スタイル
無地の白背景/白の背景
おすすめの商品カテゴリー:全ジャンル/カテゴリー
画像提供:Pinostudio
・初心者なら一人で明るく撮影できる
白の背景紙/背景シートは、商品を際立たせる役目があり、商品撮影には欠かせない背景です。
・ECモールでは白い背景が規定されている場合もある
各ECモールはメイン画像は白背景で統一することを前提にルールが作られています。
複数色を組み合わせた背景
おすすめの商品カテゴリー:アパレル・アパレル雑貨・生活雑貨・ライフスタイル商品
アパレルブランドなどがよく使う写真撮影用のスタジオなどは、床と背景で、色や素材が違う傾向が強いです。
床と壁紙の組み合わせは無限にあるため、おしゃれさやライフスタイル、高級感など様々な演出が可能ですが、一般的には実用的なイメージやライフスタイルを重要視して撮影を行い、商品画像として使われることが多いです。
大理石調
おすすめの商品カテゴリー:アパレル雑貨・ジュエリー・洋菓子・インテリア雑貨・コスメ
大理石調の背景シートは、高級感を出せるため、ブランディングが大事になる化粧品やラグジュアリーブランドなどのイメージカットに最適です。
画像提供:Pinostudio
また嗜好品との相性もいいため、小物と飲み物と一緒に置くと良いでしょう。
100円均一で写真撮影用によく使われるの背景シートは手軽に手に入りますが、角度によっては大理石のマットなイメージが出にくいので、撮影時に注意が必要です。
画像提供:Pinostudio
コンクリート調
おすすめの商品カテゴリー:家電、アパレル、シューズ・アパレル雑貨・食品・インテリア雑貨・食器・アウトドア・コスメ
コンクリート調の背景や背景シートはD2Cブランドでよく使われている背景で、最近ではスナップショットもコンクリートを背景にすることも多くおしゃれ=コンクリートとなりつつあります。
写真撮影用にコンクリートで作られているスタジオがあるくらいなので、背景紙や背景シートを用意する前に、会社や自宅、近くの貸しスタジオなどで、コンクリートの場所がないかチェックして見ましょう。
画像提供:Pinostudio
物撮りと同時に背景切り抜きで最大効率を目指せる
写真のセンスやカメラの知識はなくても大丈夫。加工が面倒な白抜き加工も一緒にできちゃいます。
人工芝/天然芝
おすすめの商品カテゴリー:家具・子供服・アウトドア・アパレル
人工芝の背景シートなどはないのですが、しっかり整備が行き届いている公園や施設などで写真撮影用に芝を使うと自然光も取り入れられるため、撮影時のカメラ設定さえ間違えなければきれいな写真に仕上がります。
木目調/白木目
おすすめの商品カテゴリー:アパレル、シューズ・アパレル雑貨・食品・インテリア雑貨・食器・アウトドア・コスメ
白木目の背景シートは、北欧っぽさが演出できるため、雑貨や自然素材とマッチしやすい傾向にあります。
木目調やレンガ調などコンクリート調などの細かい凹凸があるものに関しては、安価な背景シートを選ぶと商品画像としてはあまりいいものになりません。
光の反射、撮影の角度によっては、シートを使っていることがまるわかりなので、商品イメージを邪魔してしまいます。
画像提供:Pinostudio
特にオーガニック商品は、清潔なイメージが演出出来て、良いと思います。
画像提供:Pinostudio
木目調/茶木目
おすすめの商品カテゴリー:アパレル、シューズ・アパレル雑貨・食品・インテリア雑貨・食器・アウトドア
和のテイストとの相性が抜群
画像提供:Pinostudio
木目調/茶木目
おすすめの商品カテゴリー:アパレル雑貨・アウトドア・食品・インテリア雑貨・イベントもの・冬物
濃木目は100円均一などでもよく見かける背景シートで、カテゴリーを選ばずにおしゃれに商品撮影できる万能型の背景です。
暗めの印象になるため、大人っぽさ、夜の印象が強いハロウィンなどのイベント撮影におすすめです。
また先述した通り、木目調は品質の悪い背景シートを購入されると商品の印象にまで支障をきたすので、吟味して購入することをおすすめします。
画像提供いただいているPinostudio様は高品質の背景布を販売されているのでおすすめです。
画像提供:Pinostudio
ライフスタイル・シチュエーション背景
おすすめの商品カテゴリー:アパレル雑貨・アウトドア・生活雑貨・インテリア雑貨
昨今は手軽に手に入るものやアウトドア系、インテリア系の商品画像は、写真撮影用の背景や背景シートではなく、生活そのものの中に溶け込んでいる写真を撮られている傾向が強いです。
背景布や背景シートなどでは表現できない情報が豊かな写真に仕上がる一方で、細部まで気を配らないといけないのが、難点として挙げられます。
コットン
おすすめの商品カテゴリー:アパレル・アパレル雑貨・食品・インテリア雑貨・家具・コスメ・アクセサリー
コットンや布を使った商品撮影は、ライティングをコントロールできると、下記の画像のようにラグジュアリー感が演出できたり、ライフスタイルに近いイメージを演出出来たりと、複数の素材感で印象をコントロールできます。
背景紙や背景シートでは、演出がしにくい撮影アイディアですが、一度挑戦してみることをおすすめします。
デジタル画像を使った背景
鏡にPCやタブレットに表示されたデジタルデータや画像などを、写真の画角内に映り込ませて、背景にする方法。あまり手法としては一般的ではないのと、使用用途が限られているため、参考程度に考えていただければと思います。
アクリル板/ガラス板
おすすめの商品カテゴリー:食器・家電・アパレル雑貨・洋菓子・インテリア雑貨・家具・コスメ・アクセサリー、シューズ
ツヤがあるアクリル板や乳白色のアクリル、黒のガラス版を下に敷いて撮影をすれば、背景や床面に被写体が反射し、高級感のある商品写真が撮影できます。この影が商品画像全体に立体を生むため、背景シートなどでは演出できない少し高度な撮影になります。
デジタル上で作るのではなく、実際の反射を利用したい方向けにコツをお伝えします。
②乳白色のツヤありのアクリルを用意
③背景は、背景紙や背景シートなどを用いてしっかり作る
④真フラットからカメラを構える
⑤シャッターを切る
レンガ調/赤レンガ
おすすめの商品カテゴリー:アパレル雑貨・生活雑貨・インテリア雑貨
画像提供:Pinostudio
タイル調
おすすめの商品カテゴリー:アパレル雑貨・生活雑貨・インテリア雑貨・コスメ・バスルーム関連商品
水を主成分としてる商材に関しては、タイルを背景として、使うのもいいでしょう。たいるは清潔感が一番大事なポイントになるので、ツヤのあるタイルであれば、しっかり拭いてゴミがないか確認をしてから撮影を始めましょう。
撮影用の背景シートでタイル調のものを使うときは、光量のバランスを考えて行うことをおすすめします。タイルは鏡面仕上げの方が、キレイに見えるので、できればつやつやのタイルの上で撮影したいところ。
またタイル一つ一つの大きさは商材によってですが、商品より大きいマス目のタイルで撮影してみるとキレイに見えます。
物撮りの背景グッズを購入するならコレ
撮影用の背景紙
一般的に多く使われているのが、上記のような商品撮影用の背景紙をセットして撮影する方法です。背景紙と言っても白だけではないので、ゾゾタウンのような秋になったら秋色、春になったら春の色を使って季節感を出していくのもいいでしょう。
背景紙で演出するのではなく、撮影用やインテリア用の小物を使って、季節感やイメージをコントロールしてみてください。
背景紙を使用するメリット:扱いが簡単、スペースがあればどこにでも設置可能、サイズが複数ある
背景紙を使用するデメリット:汚れる、しわがつく
撮影用の背景布/Pinostudio
画像提供:Pinostudio
高性能で国産の背景布「Pinostudio」が商品撮影の背景には最適です。ターポリン素材に印刷された背景が写真を撮るとよりリアルに見えるため、背景紙の代わりに活用している信頼できる背景布です。
国内で販売されている背景シートの中ではもっとも高級感があり、使い勝手がいい、コスパ最強の背景シートです。背景紙や背景シートに関しては、まだまだ「安物買いの銭失い」は現在進行形ですので、品質の良いものを購入されたい方には自信を持ってお勧めできる背景シートです。
1万円前後で購入でき、折り畳み、持ち運びなども抜群です。シワにもならないので、開いてすぐ使えるのも特徴です。
ピノスタジオを使うメリット:背景の悩みがなくなる、どこでも撮影できる、シワができない、耐久性が高い、水に強い、国産
ピノスタジオを使うデメリット:サイズとバリエーションが限られている
デモ撮影/物撮りにおすすめなグッズ
100円均一や安価なモノだけで揃えるのはタブー
下記で挙げる安価な背景シートや背景幕だけで背景や撮影環境を整えようと考えてしまいがちです。
撮影初心者が一番最初にデモ撮影用として揃えるのはおすすめできます。
しかし、ECサイトやネットショップ、コーポレートサイト、お客様用の資料などで使用するならより高品質なグッズをおすすめします。その理由を挙げます。
安価な撮影グッズを使用するデメリット
① 質感が弱い
② サイズが中途半端
③ 耐久性に欠ける
はじめの一歩に進める記事などもありますが、中長期で見た時、ブランディングやマーケティングの観点から見た時に、クオリティが低いコンテンツから購入される方は今後ますます減っていくと考えられていますので、ご注意ください(下記参照)。
引用:ネット担当者フォーラムより
物撮り背景の適切なサイズとは?
物撮りの背景に必要なサイズは、商品の3倍程のサイズ感があると撮影がしやすくなります。それよりも小さい場合、撮影時のアングルが限られてしまい、商品が魅力的に見える角度で撮影できなくなる可能性が高くなります。
25㎝のシューズを撮影する場合:75㎝の背景布や背景紙
40㎝の家電を撮影する場合:120㎝の背景ボックスや背景紙
背景紙や背景布の長さは商材の高さや奥行きによって大きく変わりますが、120cm~200cm程あると非常に使いやすくなります。
物撮りにおける撮影セッティングの作り方
画像の掲載箇所を確認する
まずは、どの部分にどう使う写真なのかを再度確認しましょう。
【どこに使うのか】
・WEBサイト
・ECサイト
・資料
・店舗
・リーフレット(チラシ)
・コーポレートサイト
・カタログ
主に上記の掲載先が挙げられます。
【どうに使うのか(どんな効果、価値を期待するのか)】
・商品の魅力を伝える
・全体像を見せてクレームが入らないようにする
・購買意欲向上させる
・ユーザーみたいに全て答える
・購入後のイメージを膨らませる
・ECサイトでも購入してもらいたい
・機能を知ってもらいたい
・印象をコントロールしたい(高級感を出したい、自然のイメージを与えたいなど)
どこで、どのように使い、どんな効果を生むための画像なのかを理解して、撮影をすることで、コンテンツがユーザーに与える効果、印象は変わっていきます。
撮影場所を決める
撮影場所は大きく分けると三種類あります
・屋外(公園、街角、社屋前など)
・社内(デスク、会議室、空きスペースなど)
・スタジオ(社内、貸し、外部)
どのような写真が必要だから設備や背景はこのくらいないとだめと逆算して考えると簡単に決められるようになります。
撮影アングル(撮影角度)を決める
撮影の角度は、「カメラ」と「被写体」のどちらかを動かして決めます。撮影は手持ちで行うのが一般的ですが、三脚を使用して、バミる(場所をテープなどで印をつける)などして再現性の高い環境で撮影すると担当者を増やして撮影を進めていくことができるので、おすすめです。
ライティングを調整する
ライティングと言うと、しっかりとした照明がないとできないと思われがちですが、数千円から1万円程のLED照明を2灯揃えるだけで、撮影品質は大きく変わってきます。
また、天候に左右されるため、時間や場所といった条件が追加されますが、自然光で撮影されている方も多いです。
まとめ
物撮りや商品撮影において、背景は必ず写真に写り込んでくる重要な素材です。カメラが近ければ素材のクオリティが重要になりますし、ライフスタイルを見せるために場所を広くする場合も、印象をコントロールするために重要になります。
キレイに写真を撮りたいなら最初にこだわるべきは背景だと思います。
・カメラはスマホで問題ないです。
・照明は自然光で問題ないです。
小物の撮影であれば、Pinostudioをおすすめします。1万円でガラッと雰囲気が変わるので、試してみてください。
大きいサイズやモデルさんの撮影であれば、市販の背景紙とライトで5万円以下がカメラいがいが全て揃えられるとおもいます。
まずは背景にこだわって撮影のクオリティを高めてみてください。
この記事を書いた人
荒井 祐希
美容専門学校を卒業し、アパレル雑貨や携帯販売、独立して自ら開業するなどして10年。その後自動撮影システムの業界に入り、4年半(2021年7月現在)を迎える。3000を超える方と商談を行い、担当事例は100社を超える。8割がアパレルやファッション雑貨で、大手~スタートアップまで規模を問わず担当。お客様の一時期の成功ではなく、成功し続ける環境を伴走して構築することをモットーにご案内中。本質を見失わないようにロジカルに情熱を持って皆様と向き合います。