【2022年】初心者におすすめのカメラと失敗しない選び方!
お役立ちコラム
2022年3月29日
一眼カメラを買ったものの使いこなせるか心配、そうお考えの方も多いのではないでしょうか?一眼カメラは難しそうに見えますが、決してハードルの高い趣味ではありません。ちょっとした知識を知っているかいないかで、何倍も撮影が楽しくなるはずです。
本記事では、元カメラ専門店勤務の筆者が、カメラ選びのポイントから、押さえておきたい撮影テクニックなどを、豊富な販売経験とカメラ知識、そしてカメラ愛からご紹介いたします。
カメラ初心者必見!ミラーレス一眼レフカメラの失敗しない選び方
はじめて使うなら「大きさ・重さ」を要チェック
初めてのカメラ選び、それなりの出費にはなりますから失敗は避けたいところです。結局扱いきれずに持ち出す機会が少ない、なんて言うお話もよく聞くかもしれません。そこでなんとなく「できるだけ小さいカメラの方が、簡単で扱いやすい」、そんなイメージを持ってはないでしょうか?
実はこれ、勘違いかもしれません。
大きく重いイメージのある一眼カメラも、グリップの形状や装着するレンズによって思いのほか軽く感じる場合もあります。またファインダー付いているモデルは大きくなりがちですが、覗きながら撮影することで、明るい中でもしっかりと画像を確認しながら撮影ができます。何より本格撮影っぽく、テンションも上がります。
また、たくさん押すことになるシャッターボタンの位置も重要です。大きめのグリップが付いていたほうが手になじみしっかりホールドできるかもしれません。ボタン配置が自分に合い無理なくシャッターが押せる、ここもカメラ選びでは重要なポイントです。
コンパクトなカメラの方がデザインもよく、携帯性もいいかもしれません。それでも一度購入前に実機を手に持ち撮影することをお勧めします。
疲れが変わる本体重量
一眼カメラはレンズを交換することで、多彩な表現が楽しめる、これが何よりの醍醐味です。
レンズも「パンケーキ」なんて呼ばれる薄く小さいレンズから、大砲のように大きなレンズも存在します。
もちろんカメラ全体の重量も、組み合わせるレンズによって大きく変わります。自分の撮影用途を満たすレンズでも、いくつか種類が選べることが多いです。もちろん大きなレンズの方が高画質になる傾向はありますが、より小型軽量で十分な写りをするレンズも存在します。
大きな家電量販店やカメラ専門店なら、実際に使用するレンズと組み合わせて手に取ることも可能です。画質だけでなく、カメラ本体とのバランスをみてレンズを選定することも重要です。店員さんに一言お願いして、カメラに希望のレンズをセットしてもらい、撮影しながら重量感とホールド感を体験してみましょう。
初心者向けの操作性
引用:富士フイルム Xシステム
カメラには様々なデザインのものがあり、操作性が大きく変わります。画像のカメラは写真趣味層から支持を集める富士フイルムのミラーレスカメラです。ダイヤルや数値が所せましと並んでおり、分かる人にはとても直感的で分かりやすいのですが、とても初心者にわかりやすいとは言えません。
A.気軽に高画質で撮影できればOK、撮影はできるだけカメラ任せにしたい
B.ゆくゆくはカメラを自分なりに設定し、自分の意図通りに写真を表現してみたい
皆様はどちらでしょうか?
ー Aの場合 ー
Aの場合なら、各カメラメーカーの初心者モデルから選べば間違いありません。比較的小型軽量で簡単綺麗にカメラ任せで撮影できます。
また、カメラによっては初心者用にカメラの設定メニューを省略できる機能があります。知らない間に変な設定にしてしまうのが怖い、そうお考えの方も多いかもしれませんが、メニューを必要最低限しか表示しない設定にすれば、安心して撮影できます。
簡単撮影「オートモード」/ Bの場合
ではBの方はどうでしょうか?
最初は初心者モデルで、とお考えの方も多いでしょう。
一眼カメラは上位モデルになるほど、ボタンが多くなる傾向にあります。設定ボタンの他に、Fn(ファンクション)ボタンと呼ばれるショートカットボタンがたくさん配置され、ダイヤルも複数搭載されるようになります。
そんなカメラ到底扱えないとお考えの方も多いかもしれませんが、ほとんどのカメラには、すべての撮影設定をカメラに任せる「オートモード」が搭載されています。ダイヤル一つで設定できるので、大事な時に設定を失敗するリスクを減らすことができます。
ダイヤルやボタンが多いということは、慣れればより素早く正確に設定を変更できることに繋がります。今後カメラについて学んでいくなら、初心者モデルを飛ばすことも後悔しないカメラ選びに繋がるかもしれません。
どこまで自動で設定してくれるのかをチェック
引用:Canon EOS Kiss X90 | かんたん操作
カメラは「絞り」「シャッター速度」「ISO感度」この3の設定を変えることで、様々なシチュエーションに対応し、自分なりの表現ができるようになります。
またピントをどこに合わせるかで、強調したいものを表し、連射することで少ないシャッターチャンスを掴むことができたりします。
→失敗しないピント合わせ/フォーカスの使い方・応用方法を簡単解説
「オートモード」ではこういった撮影者の意図は介さず、基本的にすべてがカメラ任せで撮影されます。オートモードはそれなりに優秀で、あるていど状況を読み取って最適な設定にしてくれます。
更に失敗を防ぐには、「シーンモード」を活用します。例えばスポーツモードや夜景モード、ポートレート(人物撮影)モードなど、より撮影のシチュエーションを絞ってあげることで、最適なカメラの設定を高精度に引き出すことができます。
シーンモードは設定の戻し忘れには注意が必要ですが、より良い表現がオートでもできるようになるでしょう。画像のようにダイヤルから直接シーンが選択できるようになっているモデルもあります。この機能の充実しているカメラを選ぶのもよいでしょう。
スマホ連携/通信機能
撮影した画像をスマートフォンで楽しみたいユーザーにとっては必須のWi-FiやBluetooth機能ですが、最近のカメラにはほとんど搭載されています。一部カメラにはNFCも搭載されており、より連携が楽になります。QRコードで連携できるカメラもありますので、アプリの扱いやすさと繋がりやすさもポイントとなりそうです。
センサーサイズにも注目
カメラの画質を大きく左右するものに、センサーサイズというものがあります。
一般的にはセンサーが大きいことで、よりノイズが少なく、ボケ表現が大きく、色の階調製(グラデーション表現)が豊かになり、画質(表現力)が良くなる傾向にあります。
ここ数年で各社がフルサイズと呼ばれる大きなセンサーサイズのカメラを多く投入し、人気となっています。スマートフォンの普及で、より趣味層向けに市場が動いたことが理由と考えられます。
一方で一概には言えないものの、センサーが大きいほど価格が高価に、カメラ本体やレンズが大きくなる傾向にあります。特にレンズの大きさは顕著で、オリンパス(OM SYSTEM)とソニーのレンズコーナーを比較すると一目瞭然です。
多くのユーザーが豊かな表現力と究極の画質を求める場合、センサーサイズはより大きくなりますが、実際には小さ目なセンサーのカメラも多く売れています。センサーサイズが小さいメリットとしては、小型軽量になりやすい(望遠レンズに顕著)、周辺画質も安定しやすい、ピントの合う範囲が比較的広くなるなどがあげられます。
筆者はフルサイズのミラーレスカメラを所持していますが、それは求める画質表現とセンサーの特性が一致しており、ある程度の重量も問題としないためです。
せっかく買ったけど大きくて持ち出さないのは本末転倒です。画質も重要ですが、起動性や携帯性のバランスもカメラ選びの重要なポイントです。
写真のブレを防ぐ「手振れ補正機能」
「ピンボケやブレている写真は失敗である」と考えるか「それも作品の味と表現である」と考えるか、筆者としては後者ではあります。しかしながら意図した表現でない場合、撮影した写真がボケたりブレたりするのは失敗であることが大半です。
そのブレの多くは手振れであり、各社手持ち撮影でもブレないように、手振れ補正機能にしのぎを削っています。
よく〇段補正という形で表現されますが、数値が大きい方がブレにくくなります。
技術的には大きく2種類あり、レンズ内補正とカメラ本体のボディ内補正、その両方を組み合わせたハイブリット方式です。
数年前までは、センサーサイズの小さいカメラが有利でしたが、今ではフルサイズのセンサーを搭載したカメラでもボディ内手振れ補正やハイブリット方式を実現してきています。
それぞれの補正方式や、一眼レフとミラーレスかで有利・不利な特徴がありますが、一般的にはハイブリット方式が有利になるケースが多いと考えてよいと思います。
もしくは単純に〇段という数値で比べてください。
SNSに投稿するなら「動画性能」にも注目
最近Vlogという言葉をよく耳にします。SNSでもVloggerと呼ばれる方たちも活躍しています。VlogはVideo Blogの略になります。カメラやパソコンの性能が飛躍的に向上し、シネマチックな映像表現が市販のカメラでも作成できるようになりました。
また商品のレビューや自撮り撮影に特化した、Vlog向けのカメラも数社が発売しています。
動画は今後重視される機能であることは間違いありません。これに関しては、ミラーレスカメラでソニー、パナソニック、キヤノンが得意としている領域です。
また静止画撮影と比較し、難易度が高いことを頭に入れておくべきです。静止画もビデオも両方得居なカメラもあります。動画にも興味がある際は、必ず動画撮影に適したカメラをお勧めします。
暗所での撮影は「ISO感度」が肝?
スマホで夜景写真を撮影しようとしたら、全然明るく撮れない、撮れてもブレブレな写真になる、こういった経験をされている方がいらっしゃると思います。一眼カメラを使用するとある程度の夜景写真なら、手持ちで撮影できます。
暗いところで明るく撮影するには、ISO感度を大きく設定する必要があります。そうすると光を吸収できる量が増えるイメージで、より明るく撮影ができます。
しかしながらあまり大きくしすぎると、ノイズっぽいザラっとした写真になります。そこでしっかりと夜景を撮影するには、ブレないように三脚を使用し、長くシャッターを開くことで多くの光を取り込みます。
ところが最近のカメラは、ノイズ処理の技術や、センサーの技術向上により、ISO感度を大きくしてもきれいなまま撮影できるカメラが出てきました。
実はセンサーサイズもノイズの量には関係しており、フルサイズなど大きい方が比較的ノイズを抑えられる傾向にあります。また裏面照射CMOSというセンサーを採用している場合、かなりノイズに強いと考えられます。
初心者でも使えるおすすめのミラーレス一眼レフカメラ
今回は、「初心者でも扱いやすい」、という点において標準レンズをつけた状態の価格帯を3つに分けてご紹介します。
様々なカメラがありますが、筆者が最もおすすめしたいのがミラーレス一眼です。一眼レフに変わる次世代のカメラの仕組みで、今後も各メーカーが力を入れ、よりよい製品を送り出してくれます。レンズを交換することも可能で、表現の幅は無限に広がり、より自分の思う写真が撮れるようになります。
◆ 10万円以下のミラーレス一眼レフカメラ
① Canon EOS Kiss M2
エントリーモデルながら、ファインダーを搭載しバランスの良い1台です。直接つけられるレンズのラインナップが少ないものの、必要十分な撮影用途は満たせます。一眼カメラを最も多く販売しているキヤノン製のエントリーモデル、気軽さを求める方にはうってつけです。
② OLYMPUS OM-D E-M10 Mark IV
引用:OLYMPUS OM-D E-M10 Mark IV製品特徴
望遠レンズとセットでも10万円以下で購入できます。コンパクトかつおしゃれな外観でありながらダイヤルも多く、本格撮影にも対応できます。シーンモードとタッチシャッターを利用し、手振れ補正も強力なため、気軽に思い通りな撮影ができます。やや小さなセンサーを採用していますが、その分レンズも小さく収まります。
◆ 15万円以下のミラーレス一眼レフカメラ
① SONY α6400
引用:SONY α6400特徴
上位モデルにも引けを取らないオートフォーカス性能で狙った瞬間を逃しません。動画撮影も得意なカメラで、ジンバルを用いて本格的な動画を撮影する人も多いカメラです。運動会でのシーンや、動画撮影にも興味がある場合良い選択になるでしょう。
② Canon EOS RP
フルサイズセンサーを搭載しながら、とにかく安いのが特徴です。今後レンズのラインナップも増えていくため、いずれより上位モデルに買い替えたいという方にもおすすめできます。
◆ 20万円前後のミラーレス一眼レフカメラ
① SONY α7C
引用:SONY α7C 特徴
紹介しているモデルの中では最も高額なカメラですが、フルサイズセンサーを搭載し、コンパクトさを追求したモデルながらボディ内手振れ補正を搭載しているなど高性能な1台です。SONYの純正レンズの他に、比較的お手頃な社外製レンズも多く販売されています。レンズのラインナップが豊富な点も嬉しいポイントです。
② Nikon Z5
フルサイズセンサーを搭載したモデルで、Canon EOS RPよりは高額なものの、堅牢さやボディ内手振れ補正も搭載するなど、基本性能は一枚上手といってもよいモデルです。
初心者でも使えるおすすめの一眼レフカメラ
各メーカーはペンタックスを除き、一眼レフカメラの開発から撤退する傾向にあると思います。今後の主力がミラーレスカメラである中、あえて一眼レフを選ぶ必要はあまりなく、趣味の領域ともいえるでしょう。それでも「ファインダー越しの君」にあこがれて、光学ファインダーをあえて選ぶとしたら、初心者にお勧めは下記の機種となります。
◆ 10万円以下の一眼レフカメラ
Canon EOS Kiss X10
◆ 15万円以下の一眼レフカメラ
Nikon D7500
なかなかこの価格帯の一眼レフは数が少ないというのが正直なところです。発売から日にちが経過していますが、暗所性能もよく、お手頃な一台です。動いているものにも強いカメラです。
◆ 20万円以下の一眼レフカメラ
PENTAX K-3 Mark III
引用:RICOH PENTAX K-3 Mark III 仕様
本気で一眼レフに取り組むというメーカーの強い意志を感じるカメラです。初心者にお勧めというテーマにおいてこのカメラを選ぶかは迷いましたが、あえて一眼レフを選ぶなら是非一度手に取っていただきたいカメラです。
初心者でも使えるおすすめのコンパクトデジタルカメラ
スマートフォンの登場以降、急速に衰退してきたコンパクトデジタルカメラですが、小型ながら画質が良く、ポケットに入りながらも写真表現が楽しめるモデルだけが生き残ってきました。どうしても小さくなくてはならない場合を除き、こちらも一眼レフ同様あえて選ぶなら、という選択肢にはなりますがいくつか紹介します。
◆ 5万円前後のコンパクトデジタルカメラ
SONY RX100 M3
引用:Amazon
コンパクトカメラといえばSONYのRXシリーズです。現在7までリリースされておりますが、最もコストパフォーマンスに優れた一台です。ファインダーを搭載しているので、明るい中でしっかりと画像を確認しながら撮影できます。
◆ 10万円前後のコンパクトデジタルカメラ
SONY RX100 M5A
引用:Amazon
M3からオートフォーカス性能を格段に進化させたモデルです。動くものを撮影することが多いならこのモデルが良いでしょう。
初心者でも使えるおすすめのVlogカメラ
◆ 10万円以下のVlog向けカメラ
Panasonic LUMIX DC-G100
◆ 15万円以下のVlog向けカメラ
SONY VLOGCAM ZV-E10
両カメラとも、Vlogに特化したミラーレス一眼です。気軽に動画撮影や自撮り撮影できるよう工夫がされています。動画メインで気軽に始めたいならお勧めしたいカメラです。
失敗しない撮影を!7つの基本知識
1:F値(絞り)
絞りがカメラの基本をマスターする上でのラスボス的存在です。写真の明るさ(露出)と、ピントの合う範囲(被写界深度)更に画像の解像度にも影響してきます。
詳しくはこちらで解説しています。
2:シャッタースピード
その名の通り、どれぐらいの時間シャッターを開けているかの数字となります。
短いと光の入る量が少ないため暗くなりますが、一瞬の動きを切り取れます。逆に遅くすることで、たくさんの光を取り込み明るくなり、動くものを撮ることであえてブレた表現をすることもできます。
詳しくはこちらで解説しています。
3:ISO感度
光りをどれだけ吸収できるかの数値と考えてください。
数値が小さいと取り込める光は少ないが高画質に、数値が大きいと取り込める光が多くなるが画質が悪くなります。
詳しくはこちらで解説しています。
4:焦点距離と画角の理解を深める
一眼カメラは画角のことを焦点距離という数字で表します。単位は○○mmとなります。
画角が広い=広角 ⇒ 焦点距離が小さい
画角が狭い=望遠 ⇒ 焦点距離が大きい
画像のようなイメージとなります。
ズームができるレンズには、○○―○○mmと記載されます。
ここでややこしいのがセンサーの大きさによって、数値が一定ではないことです。例えばフルサイズと呼ばれるセンサーを搭載したカメラに50mmのレンズをつけると、人間が何かに集中したときに見える範囲より少し狭いぐらいの画角となります。これを標準レンズといいます。
しかしながらセンサーの少し小さいEOS Kiss M2のようなカメラ(APS-Cサイズセンサー)に先程同様の数値の50mmのレンズを付けたとします。そうすると実際の画角は更に狭く、ポートレートが得意な中望遠となります。
このように、同じ焦点距離のレンズでも、センサーの大きさにより実際の画角にはずれが生じます。そこで、「35mm換算」という一つの基準を設けました。
35mmというのは、フルサイズのセンサーの実際の大きさを意味するだけと思ってください。センサーのサイズごとに次のように計算すると、フルサイズと同じ画角を表します。
・フルサイズ ⇒ そのまま
・APS-Cサイズ ⇒ 1.5倍(Canonは1.6倍)
・マイクロフォーサーズ ⇒ 2倍(OLYMPUS、Panasonic)
これをかけた数字により、おおよそ次のようにレンズを定義できます。
24mm以下 長広角
35mm付近 広角レンズ
50mm付近 標準レンズ
85mm付近 中望遠レンズ
100mm以上 望遠レンズ
300mm以上 長望遠レンズ
初めて購入する場合、レンズキットという予めカメラとレンズがセットになっているものを購入される方が多いと思います。例えばCanon EOS kiss M2だと、15-45㎜のレンズが付属します。APS-CサイズでCanonは1.6倍ですから、35mm換算で、24-88mmとなるので、広角から中望遠をカバーしているレンズといえます。風景からポートレートなど幅広く使える「標準ズームレンズ」と呼ばれます。
5:ホワイトバランスで印象を変える
WBと表記されるのがホワイトバランスという設定項目で、写真の色味に関わります。
例えばWBを「白熱電球」に設定してビル群の夜景を撮影すると、写真全体が青くなり都会っぽさの演出ができたりします。使いこなせるようになれば、写真全体の印象を大きく変えることができ、自分の意図する写真のイメージを表現することができます。
また、商品撮影では正しい色合いを伝える必要があるため、ホワイトバランスは重要な要素です。
WBはオートの他に、「晴天」「曇天」「白熱全球」などのプリセット、マニュアル設定などがあります。おおよそ見たままの色での撮影でよければ、オート一択で問題ありません。
自分なりの色味で表現したい場合、プリセットを切り替えながら撮影すれば十分色味の表現ができます。ただし、設定の戻し忘れには注意しましょう。
ここからはマニュアルでWBを設定する場合です。
色温度は5600K(ケルビン)というように数字4桁で表し、画像のような関係性があります。
引用:Nikon Enjoyニコン Lesson3:ホワイトバランスを使いこなす
数字が大きいと青く、数字が小さいと赤くなります。また太陽光は5500~5700Kと言われています。
ここからがややこしいのですが、カメラで設定する場合数字と色の関係性が逆になります。これは各色温度の光から正しい発色に補おうとするため、逆の色味で撮影されるからです。
つまり、数字を小さく設定すると青っぽく、大きくすると赤っぽく撮影されます。
ニューヨークの夜景は、3000K程度で設定して撮影された画像といえます。
6:ライティングの変化による違いを学ぶ
「逆光」という言葉にネガティブなイメージを持っている方は多いのではないでしょうか??実際にスマホで逆光の状態で撮影してみると、全体的に白っぽく写したいものが真っ暗、人の顔もうまく撮れていない、そういった経験から逆光を避けて撮る人は多いと思います。
ですが、写真は光を操ることで様々な写り方をします。例えば実は屋外でのポートレートでは、逆光をうまく利用して撮影をすることが多いです。
逆光で撮影することでコントラストが落ち、全体的に柔らかな印象で、髪の毛のきらめきなども表現できるためです。コツとしてはいつもより明るく撮影することですが、一眼カメラであれば真っ白にならずしっかりと情報を残してくれます。
重要なのは、まず一つの被写体でも足を使って移動しながら撮影することです。被写体を一つの角度から撮らずに様々な角度から撮影してみることで、光の加減やアングルの違いから様々な表情を引き出し、思いもよらなかった表現で撮影できることもあります。時には下から撮影してみるのもいいかもしれません。天気の良い日でも曇りでも、光の印象で写真は大きく変わります。
7:カメラの機種と特性から自分の好みのモデルの見つけ方
カメラが「どのようなコンセプトで設計されたのか」を考えると、そのカメラが自分の用途と一致しているか判断することができます。
例えばCanonのKissシリーズはファミリー層やエントリーユーザーに向けてカメラをデザインしています。軽さや扱いやすさと写りのバランスが良く、カメラの設定を変えるモードダイヤルにシーンモードが割り振ってあります。これによりシチュエーションに合わせて最適な設定を簡単に引き出せるので失敗を減らすことができます。
一方でよりグレードの高いカメラを見てみます。SONYのα7シリーズでは、無印とR、Sとカメラの型番にアルファベットが付きます。Rは高解像度モデルで、Sは好感度・動画向けの一眼カメラというコンセプトが明確に示されています。
これらのことは、カタログやWEBカタログを参照してみてください。各機種ともによく作り込まれており、カメラのコンセプトやどのようなユーザーをターゲットにしているか参考になります。
購入後に後悔しないために!スマホと一眼カメラの違いを理解する
スマホと一眼カメラの決定的な違いは、「①センサーサーズと画質の関係」と「②レンズ交換による表現の幅」この2つです。
①センサーサイズと画質の関係
センサーサイズに関しては、基本的には大きければ大きいほど画質が向上します。もちろん一眼カメラはそれなりに大きなセンサーを搭載しているため、画質が良いとされています。厳密に言うと、1画素が大きいことも画質をよくします。
例えば同じ2400万画素のスマホとフルサイズの一眼カメラがあったとします。同じ画素数でも、フルサイズの方が30倍も1画素が大きいことになります。これが、画質の良さや表現の豊かさに影響してきます。
スマホに大きなセンサーを搭載すれば一眼カメラと同等の写りをするはずですが、単純にスマホ自体やレンズが大きくなりすぎるため現実的ではありません。最近ではカメラ性能に特化したスマホで、1インチセンサーを搭載したモデルがあります。
1インチセンサーといえば、先ほどご紹介したお勧めのコンデジが採用しているセンサーサイズです。なかなかこれ以上に大きいセンサーをスマホに搭載することは、物理的に難しいものと考えられます。センサーや画像処理の技術向上で、スマホの画質はどんどん良くなってきました。しかしながら1画素の大きさ、センサー自体の大きさに関しては物理的な限界が存在し、一眼カメラと同等の画質を実現することは難しいでしょう。
また、よく勘違いされることとして、画素数=画質ではないことです。1億画素のセンサーを採用したスマホも存在しますが、確かに高精細な画素で撮影できるかもしれません。
しかしながら、1画素が小さいとそれだけ色の階調性やノイズ耐性が悪くなります。4Kモニターですら800万画素程度であるために、果たしてそこまでの解像度が必要かは疑問ですが、1画素を大きく尚且つ高精細な画像が欲しいとなると、センサーサイズを大きくする必要があります。
一眼カメラで1億画素を実現しているのは、フルサイズよりもさらに大きいセンサーを採用している中判カメラのみです。画質はセンサーの大きさに影響されると考えてください。
②レンズ交換による表現の幅
引用:Canon ニュースリリース カメラ用交換レンズとして世界最多を記録
一眼カメラはレンズ交換することで、様々なシチュエーションや写真表現を可能とします。スポーツでより遠くが写る望遠レンズを使用したり、ポートレートでより背景をぼかしやすい単焦点レンズを使用したりといった具合です。
一方スマホは、「レンズの交換ができないならカメラを増やせばいいじゃないか」といった具合で、この問題に対応しています。iPhoneは広角と超広角の2つが、iPhone Proになると望遠レンズが追加され3つになるといった具合です。
レンズが交換できないなら、カメラを複数搭載することでより多くのシチュエーションに対応できるようにしたのが、最近のスマホカメラの進化です。それでもスマホの望遠は、一眼でいうところの標準程度の画角しかありません。各メーカーが何十本ものレンズを開発するのは、より様々な写真表現を可能にするためです。
スマホで満足という人と、一眼カメラが欲しいという人の差は、この2つの要素に影響されているはずです。趣味としてではなく、家庭に1台一眼カメラが必要だった時代がありました。スマホの普及により、カメラを別途買う人は少なくなっています。それでもより良く表現するためには、一眼カメラは必須といえるでしょう。
失敗をグッズで防ぐ!初心者におすすめの便利グッズ
① レンズ保護フィルター
家電量販店で買うとお勧めされると思います。レンズの正面にはネジが切ってあり、フィルターと呼ばれるガラスを入れることができます。
写り込みを除去するPLフィルターや、光量を抑えるサングラスのようなNDフィルターなど様々なフィルターが存在しますが、レンズの表面を傷や汚れから守るのが保護フィルターの役割です。レンズの表面に付く多少の汚れ程度では写りに影響はしませんが、あれば安心という製品です。
基本的に最初に付けたらつけっぱなしとなる保護フィルターですが、光のロスが少なかったり防汚コートのあるもの程高額になります。とはいっても数千円ではありますので、せっかくのレンズを守りたい場合は、購入してみてはいかがでしょうか??メーカー純正の保護フィルターもありますが、MarumiやKenkoが有名なメーカーです。
付けるデメリットとしては、太陽にレンズを向けた際にゴーストやフレアと呼ばれる光の線のようなものが出ることがあります。フィルターが影響し、レンズ内での光の乱反射が原因で起こる可能性があります。また、よっぽどじっくり見ない限り分からないレベルで画質が落ちます。前者は常に出るわけではありませんし、後者に関してはあまり気にする必要はありません。
② レンズフード
レンズフードは、レンズの先端に取り付ける筒や花形状の筒です。レンズによっては標準で付属しますが、レンズキットの場合はつかないことが多いです。
帽子のような役割で、レンズに入る余計な光をカットし、乱反射によっておこるゴーストやフレアという現象からある程度守ってくれます。また、レンズをぶつけたり、雨などでレンズに水滴がつくのを守ってくれたりもします。使わない際は、逆にして収納できることが多いです。
本来はどのレンズにも標準装備として付属するべきと筆者は思いますが、そこまで気にならない方も多いのは事実です。
デメリットとしては、かさばって邪魔であったり、付け替えが面倒だったりといったところです。
レンズに合わせて専用設計されていますので、純正品を購入することをお勧めします。
③ 清掃キット
カメラは光学機器で精密機械です。使った後は簡単にで構いませんので、軽くお手入れしてあげてください。最低限必要なのは、レンズクロスとブロワーです。
ブロワーで埃を飛ばし、汚れをクロスでふき取ってあげてください。
場合によってはセンサーの掃除もブロワーで行います。エアダスターでは強力すぎるので、手で吹き付けるタイプの先端が柔らかいブロワーを選びましょう。
④ 速写ストラップ
カメラはシャッターチャンスを逃さないため、できれば首にかけていたいものです。しかしながら撮影しない際に邪魔になることも事実です。付属のストラップは首から下げるには良いものの、かがんだ際にカメラを体に沿わせることはできず、ふいにぶつけてしまうこともあります。
そこで便利なのが速写ストラップと呼ばれるものです。
特徴としては、カメラを斜めに「たすき掛け」ができるよう長さがあることと、ストラップの長さを簡単に調整できることです。そうするとカメラがブラつかずに安全かつ素早くカメラを構えることができます。
お勧めのストラップもいくつかご紹介します。
おすすめの連写ストラップ ー ニンジャストラップ
比較的安価でカラーバリエーションも多いです。短くした際に余りの部分が邪魔なのと、ややストラップが長すぎる気もしますが、とても軽くシンプルな構造なのは良い点です。
おすすめの連写ストラップ ー Peak Design Slide
こちらも同じようにストラップの長さを調整でき、短くしても余ったストラップがふらふらしません。ややお値段がするものの、かなり洗練されたデザインのストラップです。ワンタッチでカメラをストラップから外すことのできるアンカーリンクも付属しており、使えば納得の製品です。
⑤ 三脚
使えば撮影の幅が広がること間違いなしのアイテムです。夜景、星空、風景などシャッター速度をゆっくりにして撮影するシチュエーションで活躍します。
三脚選びでは耐荷重と自分の持ち運べるサイズを重視しましょう。筆者は電車移動が多いため、トラベラータイプの小型軽量モデルを使用しています。
価格は3000円程度の安いモデルもありますが、一眼カメラには強度が不十分です。15,000円以上はするモデルを選ぶとよいでしょう。
購入前に試してみよう!一眼レフカメラのサブスク&レンタルサービスを活用
カメラを選ぶ際には、カメラ専門店や大きめの家電量販店で実際に触ってみることをお勧めしていました。なかなか近くにお店がない方や、もっとじっくり自分の撮影シチュエーションでカメラを使ってみたいという方も多いはずです。
そこで便利なのが、カメラのサブスク&レンタルサービスです。必要な時に借りるだけでもいいですし、購入前に高額なカメラも一度じっくり試してから検討出来る便利なサービスです。
例えば、普段はスマホで十分だが運動会の時だけは一眼カメラを使いたい、そういった場合はレンタルでも良いかもしれません。もちろん使い慣れたカメラの方が上手く撮影はできるのは事実です。その際は望遠レンズだけのレンタルも可能ですので、うまく活用してみましょう。
① ヤフオクなどのオークション・フリマサイトで借りる
ヤフオクなどでは、機材のレンタルを落札することができます。期間も短いため、とにかく安く試したいという場合におすすめです。ただし、カメラを壊してしまった場合などのトラブルには要注意です。
② レンタルサービス会社を利用する
短期間ならレンタル、長期間ならサブスクの方がお得に借りられる傾向にあります。
いくつかサービスをご紹介します。
レンティオ
カメラだけでなく様々な家電製品のレンタルを行っています。気に入ったカメラはそのまま購入もできます。
ワンダーワンズ
カメラレンタル専門店です。比較的安くレンタルできる印象です。
③ サブスクリプションサービスの会社を利用する
CAMERA RENT
返却期限なし、月額3850円からレンタル出来ます。借りるカメラの種類によってプランの金額が異なりますが、比較的お得に借りられる印象です。
GOOPASS
借りたい機材のランクによって月々の金額が変動します。カメラだけでなくドローンやジンバルなど映像機器も豊富に扱っていることが特徴です。
初心者が参考読んでおきたい記事
フォトヨドバシ
ヨドバシカメラの運営するカメラレビューサイトです。プロカメラマンが撮影した作例とレビューを見ることができます。このレンズを使うとどうとれるのかが想像できますし、たくさん良い作品を見ることで学ぶことも多いです。
The Map Times -マップカメラ
カメラ専門店マップカメラの運営するサイトです。様々なレビューや作例が楽しめます。物欲を刺激されてみてはいかがでしょうか?