失敗しないピント合わせ/フォーカスの使い方・応用方法を簡単解説

お役立ちコラム

2022年3月3日

こんな経験ないですか?

■ピントがなかなか合わない
■ピントを合わせたのに画像見たら合ってなかった。
■どこにピントを合わせればきれいに見えるかわからない

そう!カメラを楽しむ上で、最初に取り組むべきは「ピント合わせ」なんです。

どんなにいい環境で撮影した画像、写真もピントが合っていなかったら台無しです。タピオカミルクティーのミルクティーなしみたいなイメージです(笑)

ピンボケの代表例

▼ ピントの合ってない写真

focus1

▼ ピントの合っている写真

アセット 4

魅力的な商品はピントの合わせ方でも魅力は変わってくるので、まずは「ピントの正しい合わせ方」と「ピントの活用の仕方」を学んでいきましょう。

オートフォーカス(AF)とマニュアルフォーカス(MF)の基礎知識

オートフォーカス(AF)とは

AFとは、オートフォーカスのことを指し、カメラに自動でピントを取ってもらいます。ほとんど場合、レンズ側にAFとMFの切り替えスイッチがついていますが、レンズやボディによって異なる位置に配置されているので、事前に確認しておきましょう。

→オートフォーカス(AF)とは?マニュアルフォーカス(MF)との違いやメリット、デメリットを解説

オートフォーカス(AF)のメリット

■ こんな方(こんな時)に便利

子供を撮影する、スポーツで撮影する、ペットを撮影する、初心者でピントの合わせ方に自信がない

マニュアルフォーカス(MF)とは

MFとは、マニュアルフォーカスのことを指し、カメラマンが手動でピントを合わせます。基本的には、初心者の方や緻密な構図や仕上がりの写真を考えていなければ、MFの設定は使用せずに、AFで問題ないと思います。

マニュアルフォーカス(MF)のメリット

■ こんな時に便利

被写体までの距離が近い、暗い場所、コントラストが少ない、被写体の以外のボケのコントロールをしたい

押さえておきたいピント合わせ/フォーカス(焦点)の基礎知識

ピントは点ではなく面で合う

ピントは点で合うと考えられていますが、実際はピントは面で捉えています。下記の図の通り、カメラから見てABは同じ距離にあるため、ピントは合います。

ピントをCDの位置まで奥にズラしていく場合、黄色のピント面がそのまま奥にズレていくイメージです。

アセット 9

ピントは手前より奥に合いやすい

AF(オートフォーカス)では、手前も奥もピントが取れる場合、奥に取りやすくなります。この現象を理解していないと何回もピント取ったり、ピンボケが多くなります。

白、黒、透明はピントが取れない事の方が多い

色によってピントが取れない現象は、レンズやボディの善し悪しにもよりますが、一般的には、「白」「黒」「透明」はピントが合いにくくなります。

AF方式(AFエリア)で任意の場所にピントを合わせる

AFの合わせ方は様々な方法があります。機種、メーカーにより名前や機能が異なるため、ここではザックリお伝えします。

AF方式(エリア)スポット/1点/シングル

スポットや1点AFとはフォーカスを合わせるフレームが中央(※これが基本です)もしくは任意の位置で1点選択してフォーカスを取る方法です。現在では45点取れる場所が合ったりと、様々な場所に簡単にピントが合うようになっているので、1点は非常に便利です。

しかし、選択されたフレーム1点に被写体がないとフォーカスが合わないので、初心者が使うには少し慣れが必要になってきます。

アセット 5

AF方式(エリア)ゾーン

アセット 6

AFエリアのゾーンは、ある一定の範囲(ゾーン)内で、ピントを取るAF方式です。自分の任意のものにフォーカスを合わせたいけど、動きがあったり、フォーカスが取りにく場合に使用すると非常に効果的です。

スポットや1点よりは広く、自動選択よりは狭くして、対象を絞って追うのに便利なAF方式です。

AF方式(エリア)自動選択/オートエリア/ワイド

アセット 8

自動選択は、フォーカスエリア全体を対象としてピントの取れるところや取りやすいところに自動で撮ってくれるAF方式です。今の最新の一眼レフは数十点ものフォーカスポイントから

多彩なオートフォーカスを試してみよう

AF-S/ワンショットAF、シングルAF

※旅行で風景や景色、人を入れたポートレート、商品撮影(物撮り)などで使用

AF-Sは、メーカーによって呼び方は異なりますが、シャッターボタンを半押し、ピントを取る→半押し状態を継続している間はピント位置を固定してくれます。ピントが取りにくい被写体や動きのない被写体で使用するといいでしょう。

また構図を練って撮影する際にも非常に有効に使えます。ピントの撮り直しは半押しを解消し、もう一度半押しすれば何度でもピントを取り直すことができます。

AF-C/コンティニュアスAF、サーボAF

※ペット、野鳥の撮影、子供の運動会やスポーツなど動きのある撮影で使用

AF-Cは、コンティニュアス(継続、持続)やサーボ(自動制御)などと言われるようにピントを合わせ続けてくれます。追尾式のフォーカス機能です。

この機能をオンにするとシャッターボタンを半押ししている間は、常にフォーカスを撮り続けてくれるため、ピントを取るのが苦手な方や動きのある被写体を撮影するのに有効です。

AF-A/AFモード自動切り替え

※動きのあるなしの判別が難しい場合や初心者の方におすすめ

AF-Aは、先述したAFモードの切り替えを自動でカメラ側で行ってくれる機能です。動いたり、止まったりする被写体を撮影する際やその両方を撮影する際に非常に活躍してくれます。

また、初心者の方は判断が遅くなることや難しいこともあるので、AF-Aでサーボやシングルなど自動で切り替わる方が撮影しやすいかもしれません。

カメラの向け方とピント合わせのコツ/テクニック

dog-photo

目にフォーカスを合わせる

基本としては、モデルやペット、生き物を撮影する際は、目にピントを合わせることが基本となります。人はまず目を見に行くため、そこにピントが合っていないと違和感を覚えます。もちろん意図的にそうしない写真もありますが、まずは王道の撮影がうまくできるようになってから進めるのがおすすめです。

カメラを構える位置は被写体の中心が基本

どの位置からカメラを構えたらいいか。そういった質問も良く受けますが、被写体の真ん中からカメラを構えるのが基本です。

真ん中ではなく下から構えるとラグジュアリーな印象になります。

抜け感を出したいときや遠くまで写真で見せたいときは上の方から撮影するといいでしょう。

AFロックを使う

AFロック(オートフォーカスロック)は、AF方式(エリア)を1点(シングル/スポット)にして、AFの種類をAF-S(ワンショットAF/シングルAF)にしていただきます。

設定が済んだら、カメラを被写体に向けてシャッターボタンを半押しして、フォーカスを取ります。その後、被写体との距離を変えないように中心から少しカメラをスライドさせてシャッターを切ると、被写体にピントが合ったまま、空白を利用したおしゃれな写真が撮影できます。

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ピントが合わない3つ理由

理由1. レンズの撮影距離の限界

1つ目は、レンズの使用でもある撮影距離の限界を超えているケースです。一般的に多く使われている18㎜-55mmというキットレンズの撮影距離は25㎝前後です。それより近づくとピントは合いません。

望遠になればなるほど撮影距離は伸びるため、注意が必要です。

例)24㎜-105㎜の場合は40㎝前後

例)70㎜-300㎜の場合は100㎝以上

理由2.被写体の色や素材

冒頭にお話した通り、ピントが合いにくい色としては「白」「黒」「透明」です。加えて、反射している素材やAFフレームを交わすように穴が空いている被写体は、ピントを合わせる対象が見えていないので、ピントが取れないケースがほとんどです。

AF方式を確認して1点、多点、ゾーン、自動選択などどのようにピントを取るように設定されているかを確認してみましょう。

理由3.手ブレ/被写体ブレ

一眼レフカメラ(ミラーレス含む)を手持ちで撮影している場合は、手振れや被写体ブレが発生していないか確認をしましょう!

 

そもそも手振れや被写体ブレが発生しているのであれば、どんなにピントを合わせてもいい写真は取れません。ピントが合わせられていないのかブレが発生しているのかは、下記の手順で問題の切り分けをして、確認していきましょう。


①シャッタースピードを1/250以上にする(動きのある被写体の場合は1/500以上で)。

②ISO感度を被写体が適当な明るさになるまで上げる(周辺環境によるので数値は様々)

③ピントを合わせて商品Aを撮影してみる

④ 画像を確認(拡大してみる)して、ピントが合っているかを確認

⑤ピントが合ってるならOK、合ってないならそもそもピントが来ていないため、すぐ横にピントの合いやすい素材、色の商品Bを置いて、靴一足分下がってピントを合わせて商品Bを撮影してみる

⑥ピントが合ってるなら、もう一度商品Bでピントを合わせて、シャッターを半押しのまま商品Aにカメラをスライドさせて、そのままシャッター(AFロック)

⑦合っていればOK


①~④でピントが合っているかを確かめる

⑤、⑥でピントを合わせるのと同時に撮影距離が問題ないか(ピントが合う撮影距離で撮影しているか)を確かめる

①~⑥で難しい場合、そもそもピントが合いにくい商品の可能性があるため、照明環境の変更や編集加工での対応が必須。

 

急にピントが合わなくなった時の確認事項

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AF/MFのモードを確認

よくあるケースとしては、レンズ(物理スイッチ)もしくはボディ(液晶のメニューで変更)で変更できるフォーカスのモード選択。「AF」なっていないとオートフォーカスは取れなくなるので、まずはここが原因になることが多いです。

被写体自体が動いていないか確認

もう一つのケースは被写体が微振動しているケースです。ビルや家が揺れている、テーブルが揺れている、被写体そのものが揺れている。動きのある商材や早く動いている被写体を撮影する際はシャッタースピードを速くして、撮影すれば止まってるかのように撮影できますが、写真が暗くなりがちなので、仕上がりの写真の明るさにも注意してい見てください。

オートフォーカスを活かす!撮影に必要なカメラの基本

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商品撮影をする場合、ライティング以外にカメラでも明るさを調整をします。その際に使われる機能をここでは3つ紹介します。
(1)絞り
(2)シャッタースピード
(3)ISO感度
順番に説明します。上記の3つはただ単に明るさを調整するだけのものではないので、注意が必要です

絞り/ピントの合う範囲をコントロール

絞りには明るさを調整するだけでなく、被写界深度=ピントの合う範囲を狭くしたり、広くしたりする役目があります。

 

F値で劇的に写真が変えられる!初心者向け基本知識と応用を3分解説

シャッタースピード/動く被写体をロックオン

物撮りには明るさ調整以外はあまり使われませんが、シャッタースピードが速いと素早く動いているものもピタッと止まっているように見えるようになります。

→【初心者向け】シャッタースピードの基本と設定と作例を紹介

 

 

ISO感度/明るさの調整に必須

最後はISO感度です。ISOは「イソ」と読みます。国際標準化機構(International Organization for Standardization)で策定された規格だそうです。覚えなくて大丈夫です(笑)

この三枚はISO以外の設定はすべて同じで、ISO感度は左が一番高く、右が一番低い値です。
暗い環境でも撮影できるので、暗い場所での撮影や夜景の撮影等に主に使われたりするのですが、一つ副作用があります。「ノイズ」です。

ISO感度は非常に便利な反面、副作用を頭に入れながら撮影をする必要があります。この3点を抑えて、撮影をできるようになるとプロに一歩近づくのですが、正直「難しいでしょ」と思われてるのが、透けて見えます。

ですが、カメラの基本の3つと先に挙げた照明のお話がセットでテンプレートのようにどこからか呼び出せたら簡単じゃないでしょうか。

オートフォーカスを活かす絞り(f値)

ピント位置を任意の場所に取れれば写真が変わる

手前にピントを合わせた場合

 

※奧にピントを合わせた場合

 

手前や奥、中央など、任意の場所にピントが合わせられれば、絞り(f値)をうまく活用してこのような写真が撮れるようになります。一度、F値は全て開放(数値をできるだけ小さく)して撮影をしてみましょう!

 

▼ ピントは手前に合わせて、鏡面の台座に、スポットライトを当てる

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▼ ピントは手前ぎみ、後ろの小物も活かしながら手前のはちみつの魅力を引き出す撮影

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▼ 距離を取ってピントを人物に合わせて、遠くの背景をぼかすことで、奥行き感が生まれてプロっぽい画像に仕上がる

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この記事を書いた人
アライ  ユウキ
荒井 裕希
 
アパレル雑貨や携帯販売、食品の販売などBtoCで10年。その後自動撮影システムの営業に就き、3000を超える方と商談を行い、担当事例は100社を超える。8割がアパレルや雑貨関連の企業で、大手~スタートアップまで企業規模を問わず担当

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